2015年4月18日発売。松之丞DVD解説 | 神田松之丞ブログ

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また、自主興行のテーマなども書いていきます。

えー、松之丞です。

この度、私のDVDが2015年の4月18日に発売します。

ちなみに、これがクエストさんのDVD紹介文ですが。

語りのパワーに満ちた迫力と笑い溢れる熱い高座で、いま落語ファンからも大きな注目を集めている講談師・神田松之丞。笑いをテーマとする古典、独自の世界観を持つ新作講談の計3席収録に加え、ロングインタビューも敢行。「固く難しい」という伝統話芸・講談の固定概念を根底から破壊する衝撃の作品。

なんか大胆な言い回しですね。
( ̄◇ ̄;)

でも自分で言うのもおこがましいですが、全体的に満足しております。

もっとも、満足してなくてもそう言って売り出しますが、今回は本当のやつで。

色々な人の尽力ゆえです。この場をかりて、御礼申し上げます。


それで内容ですが。

このDVDは、2013年から2015年までの私の高座とインタビューを収録しております。

師匠の神田松鯉へもインタビューを、、、何を言ってるかは本編で確認して下さい。



まずDVD冒頭、2013年からはじまります。

最初の映像は、昇々兄さんが当時DVDを収録しておりまして。

私も同じ日に高座にあがっていたモノが、なんとなく残っていたやつです。

つまりはですね。私を撮る目的でない時の映像です。ですから、ラフにやってます。超ラフです。ピクニック気分の20代です。

それでこれ衝撃なのですが。今から2年前、私はソフトモヒカンなんですね。

なぜこの髪型を当時は良しと思っていたのか分かりませんが、良い味を出しています。

さらに、着物の着方が凄まじくよくないという。

荒みが凄いという。

これは思い出映像みたいにすぐに終わるのですが、そのあともろもろ挟んで。

それから1年後の2014年、新宿末廣亭の深夜寄席の高座。松之丞用の収録。

「違袖の音吉」

着物の着方も、髪型も少しマシになっています。1年後の芸人の成長が映像に。

進化するんですね。それでもダメダメなんですが。

それでここで特筆すべきは、高座前の深夜寄席のやり取りです。同じ日の出演者であった鯉八兄さんが登場です。

一部の芸協ファンが喜びそうなやり取りのツーショットというか。ミクロの需要という。

ただしかし、この鯉八兄さんがチャーミングで、カワイイのです。大きいタヌキみたいな顔をしてます。

そのやり取りは私の高座のまくらで回収されていくんですが、、、、それはみて下さい。

この時の高座。私はトリでした。

前へまわって、客席で鯉八兄さんにみて頂きまして、感想一言。

「これは凄い良い出来だ」と。

タヌキ兄の一票が入ってます。2014年5月10日。深夜寄席の高座です。

もっとも改めて冷静にDVDでみますと。今以上に荒いなぁとか。

ここはもう少し間が必要かなとか色々思うのですが、とにかくうけてます。とことんライブ芸です。

この日の深夜寄席は確か、お客様が250人くらい入ってました。大入り満員という。

勿論、笑い声とか足してないですし、そういう加工もしてないのですが。

ナチュラルにドカーンときてます。

この演目は作品を残すというより、ドキュメンタリー的な、私の流れをみて頂こうと思っているので、荒さが心地いいです。

それに尽きる高座かもしれません。また、私が今以上に元気があった頃ですので。無駄にイキイキしてます。


それからもろもろ挟み。師匠のインタビューがあります。

大師匠の芸、自分の芸、松之丞の芸についてふれる師匠。色々と言って頂いてます。笑える所も多々ありますね。

その後に「鹿島の棒祭り」にいきます。これはつい最近、深夜寄席で収録したものですが。

この日の出来は、自分で言うのも恥ずかしいんですが、非常に良いと思います。

特に後半の団子屋の婆さんが出てくるところから終盤まで。切ったはったのアクションのところ、テクニック的に難しいのですが、ノーミスです。

私なりに完璧な出来でした。

このDVDは3席ありますが、1席選ぶとしたら、間違いなくこの1席です。

この演目事態が、講談と浪曲の中ではメジャーなネタですが、本質を崩さず自分なりにアレンジしているつもりです。

そういう松之丞版の「鹿島の棒祭り」を、DVDとして世の中に出せる。これは大変な喜びです。

お客様は勿論。恥ずかしながら、同業者にもみて頂きたいと思います。


それで、もろもろありまして。

最後に「グレーゾーン」2014年12月26日収録です。

これはですね。まくら込みで40分超えますが。

この時のまくら、全部アドリブです。でもそれが、たまたま良い風に作用してるという奇跡が。

DVD編集段階で、このまくらを監督にバッサリきられたんですが。これは絶対入れて欲しいと言いました。

楽屋裏。OFFから徐々にONになっていく感じが気に入ってますし。高座あがっても完全にハイになってないんですが、徐々にギアを変えていっているという。

その様が、映像だと顕著で新鮮です。

肝心の本編はみて下さい。作品として良い「グレーゾーン」が残ったと思います。

先程ライブ芸なんで、多少のミスがあってもドキュメンタリーとしていいと書きましたが。

それは古典においてであって。

この「グレーゾーン」に関してだけは、非常に大事な作品だと思ってますので、2回収録をしました。

深夜寄席バージョンと、連雀亭バージョン。

深夜寄席バージョンが、パッションが凄すぎて完全なライブ芸で。現場のお客様は盛り上がったんですが、DVD作品としては、ふさわしくないものになりました。

そこいくと連雀亭バージョンはミスもなく、綺麗に作品としてやっているのでこちらを採用しました。

ただあまりにも深夜寄席のバージョン。

一番最後のところが非常に思い入れ深い出来になりましたので、非売品のアウトテイクスに入れて頂きました。

全体としては、本製品に収録されている、連雀亭バージョンが良いです。

それが終わり、インタビュー。

最後に今後の展望などを喋りますが。そこで少し、三代目山陽兄さんについてもふれてます。

ざっと、そういうDVDです。


大まかに言いますと。

このDVDを出させて頂いた動機は、技術的にはともかく、講談というものはこんなにも自由にやっていいんだと、物凄い多様なものであると。

そういう思いを、形に残したかったからです。

そしてそれをみて頂いた人が、何か思って頂けたら、これに尽きる喜びはないです。

特に講談をみた事も聴いた事もない人、その人達、是非みて欲しいです。

あと業界の有力者。見て欲しいという思いでいっぱいです。有力じゃなくても見て下さい。

自称、有力者でいいです。


、、、、私が8年かけてやってきたもの。

客の時代に「俺はこういう講釈師をみたい」と頭に描いていた講釈師を、このDVDで映像化出来たように思います。

そんなこんなで日付変わって、明日発売です。