GW朝練講談会について | 神田松之丞ブログ

神田松之丞ブログ

毎月のスケジュールと、演目などを更新していきます。

また、自主興行のテーマなども書いていきます。

松之丞です。

この4日間、朝練講談会GW特別編、天保水滸伝俥読みにお越し頂きましてありがとうございました。

朝の9時30分開演という、お客様に馴染みのない時間の中、お越し頂きまして重ねて御礼申し上げます。無事かどうか分かりませんが、終える事が出来ました。

初日 松之丞「相撲の啖呵」 春陽「鹿島の棒祭り」
二日目 松之丞「ボロ忠」 春陽「笹川の花会」
三日目 松之丞「潮来の遊び」 春陽「平手造酒の最期」
千穐楽 松之丞「三浦屋孫次郎の義侠」春陽「天保水滸伝外伝」



初日43名のお客様。2日目も43名、3日目も43名、楽日が52名のお客様でした。

予約なし。当日券のみです。

本来の講談というのは釈場で毎日聴いて頂いて、発端から最後まで通って頂く事で、人物に奥行きと膨らみが出るものだと思っています。

今回ならば「三浦屋孫次郎の義侠」で繁蔵は首を切られますが、この箇所だけでは、そこまで感情が動かされないかもしれません。

ただ発端で、繁蔵が商人から相撲になりヤクザになり、さらには貫禄をあげていく過程を、早足ではありましたが聴いて頂けると、最後の場面で思うところもあると思います。

これが本来の連続の聴き方であり、本来の講談師の講談だと思っております。

勿論、一日だけお越しのお客様も大勢で、それも大変にありがたい事でした。

ただ4日連続の講談を聴いて頂く事は、非常な喜びで。毎日、自分が講談師であることを認識する作業でもありました。しんどかったですけどね。

「講談の骨格は連続にあり」とはうちの師匠がよく口にして、実行してきた言葉ですが。

仲々現在はお客様が忙しく、4日も連続して聴いて頂けることは時間的に困難です。

そういう意味では、GWならではの企画だったと思います。

お越し頂いたお客様、企画して頂いた主催者の方、春陽兄さん。また、天保水滸伝を教えて頂いた愛山先生に、この場をかりて御礼申し上げたいと思います。

永谷さんの小屋の関係で、来年やれるかどうか未定だそうですが、もしもやれたならば、次回はさらに多くのお客様にお越し頂いて、満足していただけるように頑張りたいと思います。


何はともあれ、今回は大成功だと思っております。改めてありがとうございました。

次回ありましたら、70名~80名様を越すのを目標に。

昔から、講談はお客が入らないよと言われていましたし、連続なんかやったって誰もきかないんだとも言っていました。私にも直接、連続の時代じゃないと。

価値観をひっくり返せれば幸いです。