今後の講談研究室について | 神田松之丞ブログ

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毎月のスケジュールと、演目などを更新していきます。

また、自主興行のテーマなども書いていきます。

「講談研究室」という会を、師匠とやらせて頂いている。親子会で師匠2席、私2席の構成。

この会の意義は
①師匠の連続物をお客様と楽しむ。
②師匠のあまりやらない端物をお客様と楽しむ。
③師匠があまり弟子に教えないネタの継承。「中村仲蔵」や「淀五郎」など。
④師匠と連続のリレーで、リレーの経験値を弟子が得る。
⑤連続物がいかに面白いかの確認場所としての会。また普及。

そして、次回の4月6日(土)をもって、「村井長庵」という連続物は大団円に。

この会は隔月にやっているのですが、6月以降どうしようかと考えております。本来、こういうのは演目もすべて本決まりをしてから、ブログなりなんなりに載せるのが自然ですが、あえて私の狙いも含めて、その経過も含めて載せていきたいと思います。

連続物を主眼においてやっているこの会ですが、6月から年内までは端物を中心にやっていこうと考えてます。6月は役者伝を特集したいと。

6月1日(土)夜 すべて日本橋亭
松之丞「お楽しみ」
松鯉「お楽しみ」
~仲入り~
松之丞「中村仲蔵」か「淀五郎」
松鯉「名人小團次」
を予定。

8月3日(土)夜 は怪談噺特集を。私の二つ目昇進披露で
松之丞「小幡小平次」
松鯉 「乳房榎」
は実現しました。

今度は理想では

松之丞「お岩誕生」か「宗悦殺し」か「乳房榎」
松鯉「宗悦殺し」か「番町皿屋敷」ですが、全く師匠に伺ってないので白紙状態です。

10月13日(日)昼
ここでは相撲特集をしたいですね。ところが、この相撲の話が意外にいいのがありません。
連続物で「関取千両幟」などや、端物の「幸助餅」(夫婦餅)は師匠は持ってません。

「谷風情相撲」「雷電初土俵」「越の海」「橋場の長吉」「出羽屋幸吉」「阿武松」
連続物の中に相撲取りが出てきますが、師匠の持っている端物扱いのはこんなものでしょう。例えば「幡随院長兵衛」の中の桜川は抜き読みで出来る内容だったりはしますが、恐らくやって頂けないでしょう。ここらへんは皮膚感覚で分かります。

松之丞「橋場の長吉」か「相撲の啖呵」か「め組の喧嘩」(愛山先生から)
松鯉「阿武松」

師匠は談志師匠に教わった「阿武松」は思い入れが深いので、これで決定でしょう。

こういう会で難しいのが、誰をターゲットにするかという。今の所、常連のお客様は師匠の「阿武松」は聞いていると思います。ここらへんはバラツキがあるでしょうが。

するとあえて作品という点では落ちますが、「橋場の長吉」といネタをやってもらいたくなります。

ただ初めてお越しのお客様や、比較的最近興味を持って頂いているお客様には、普及的な意味合いがあると「阿武松」なんだろうなと思ってしまいます。

私は師匠ので聞いた事がないので、「橋場の長吉」を聞きたくなってしまいますけど。ここらへんの判断がこういう会では難しいですね。

本当は「名月若松城」みたいな、相撲が重要な役割をする話も仲入りあたりで入れたいのですが、師匠はそういう変化球は嫌いという。

12月21日(土)夜 この月は義士伝特集に。

松之丞「徳利の別れ」か「勝田新左衛門」か「天野屋利兵衛」
松之丞「大石東下り」か「神崎侘証文」

ここらへんはレアネタよりも、メジャーなこういうネタがいいかと思います。

それで、来年以降は師匠と「畔倉重四郎」を連続で読んでいくという。

全19席ゆえ、いっぺんに3席パターンも考えながら。

とりあえず予定は未定の、今後の講談研究室の予定でした。

良いアイディアがあれば、出来るだけ反映させるように努力しますので、教えて下さい。