今回のグズグズ寺について。 | 神田松之丞ブログ

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毎月のスケジュールと、演目などを更新していきます。

また、自主興行のテーマなども書いていきます。

前回、相当「グズグズ寺」について書いた。

そもそも「グズグズ寺」は、30人の小学校のクラスだとしたら、28番目から30番目くらいの下位争いをしている人間の落語を聞く会である。みな、最下位にはならないプライドは誰よりも持っている。

私は学芸会で主役にはほど遠い、農民Bみたいな役柄しかやらなかった人間の「文七元結」や「芝浜」を聞くのが好きだ。そういう人間がやる「文七元結」が本来の意味の大ネタだと思う。

円朝師匠も草葉の陰で、ここまで浸透したかと感慨深いだろう。文句があるなら作らなければいいのである。あんたが作ったからやったという開き直りだ。

夢七君に円朝師匠の墓守りでもしてもらえればいい。

それはともかく、前回あれだけブログにて「グズグズ寺」の観賞の仕方について書いたので、さぞや、お客様の入りが凄い事になるだろうと思っていた。

ところが蓋を開けてみたら前回より減少という。世の中は理屈ではないもんだと思った。不条理だ、不条理。

ところが開演1分前くらいに、若い兄ちゃんが入ってきたよと思ったら、小痴楽兄さんだった。

まさかの同業者である。何なんだこの会は。ありがたいけど。

私は世の中が不景気か否かは、小笑兄さんの太り方を指針に判断してる。こんなに自分から何もしない芸人が、受身の姿勢だけで食っていけているかどうかで判断している。

小笑動向指数を見てる。最近太ってきたので「小笑高、世間安」になっていると思ったら、ただ太っていたという。ただの怠惰だ、怠惰。

それはともかく今回のグズグズ寺の見所

小笑「天災」
正直、なぜこのネタを選んだ理由が分からない。前回の「反対俥」のような良い意味での裏切りがあるかもしれない。親孝行とかそういう概念がそもそもないくせに、図々しく、そういうのをネタ出ししてるのが凄い。

松之丞「越前の首」「狼退治」
主任とはいえ、なぜ2席なのか。しかもなぜこの2席。ネタ出しした、過去の自分のケツを蹴ってやりたい。

昇也「看板の一」
人を騙すのが得意な男である。彼のツイッターを見てほしい。年上ころがしだ。今日も明日もころがしているのである。私も昇也君を好きという事は、どこかでころがされているのだ。

恐らく今回も達者な高座だろう。全然仕上がってないですよー。といいながら、きっちりやってくるだろう。そういう男だ。騙されてはいけない。

あとこれは小言だけど、嫁が美人てどういう事だ。何だその「グズグズ寺」の士気が下がる事実は。

そこらへんいくと、夢七君は裏切らないだろう。将来すげぇー面白い顔の女とかをめとるであろうから、そういうところを見習って欲しい。

夢七「夢七江戸噺」
なぜ私が夢七君にこんなに夢中なのかは、自分でも分からない。
尾田栄一郎が眠い目をこすりながら、「ONE PIECE」を今も描いている。夢七君も眠い目をこすりながら「夢七江戸噺」を作っている。同じ行為なのに色々違うが、恐らく夢七君は尾田栄一郎より自分の方が面白いと思っているのである。そういうのコミコミで面白いよ。

ゲスト鯉八「笑う太鼓」
数ヶ月前「グズグズ寺」に出て欲しいと電話をしたら、少し間があった。
「うーん。いやぁー、ついにオファーがきたか。何で声かけないのか考えてたんだよ。あぁそうか、結局グズグズじゃないからだと思っていたけど、そうか。とうとうねぇ。へぇー、ふーん。」と言っていた。

あぶねぇ、早く声をかけて良かった。相変わらず、兄さんはこじらせていて好きだ。

そんなこんなで、小笑兄さんと夢七君の生存を確認しにきませんか。

2月8日の19時開演で、らくごカフェで、木戸銭¥1000で確認出来ます。

お待ちしております。