講談研究室、村井長庵7話目までのあらすじ | 神田松之丞ブログ

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毎月のスケジュールと、演目などを更新していきます。

また、自主興行のテーマなども書いていきます。

今日は第4回「講談研究室」です。

この会は連続物を師匠とリレーで読んでおります。

今までの流れを当日高座でもふれますが、改めてブログでも振り返ろうと思います。

村井長庵という全11話の物語ですが、今回7話目と8話目で、次回が大団円です。

早速1話目から

名奉行の大岡越前守が生涯裁いた中で、三人だけ許せない男がいたと言われております。

徳川天一坊、畔倉重四郎、そして村井長庵という。

普段は穏やかな大岡が、この3人だけは「八つ裂きにしてもあまりある」と言ったと記録に残っております。

さぁこの村井長庵こと、当時は伝助。元々駿州江尻在の百姓の出身でしたが、こんなところで生きていけないと、江戸へ出てきます。

最初、駕籠かき、按摩にとなりますが、野心的な男ですので、こんな稼業で一生暮らすのは俺の性にあわんと。

その当時、江戸で出世が早いのは坊主か医者。

ただ坊主は性に合わないと、医者になります。 もっとも医者は当時国家試験などありませんから、自分で医者といえば医者になる事が出来る時代。

村井長庵という名前も、いかにも医者らしい偽名をこの時つける。

さぁ、麹町平川町3丁目に医者を開業する。ところがヤブですから、表稼業の医者では食っていけなくなる。たちまちのうちに、裏稼業に手を回すようになるという。

ある日の事、金に困っている時にやってきたのが、義理の弟の重兵衛。小さい娘を連れている。これが姪の小夜(さよ)。

話を聞いてみると、去年嵐をうけて因果と家が倒れる。さらには不作で手入れも出来ず、借金は増える一方。その上お登勢(長庵の妹、重兵衛のカミさん)は患って、どうにもならない。一家心中しようとするところに、お小夜が自ら吉原へ行くと。

一家全員が首を吊るよりは、自分が苦界に身を落としますと。

ならば泣きの涙で江戸へ出て吉原へと。吉原なら万に一つも出世の道がある。

しかし、ツテがない。女衒に頼むと仲介料を多額に取られるので、江戸に長いこといる兄貴を頼ってやってきたと。

長庵これをうけ、すぐさま按摩時代に通った吉原の松葉屋に売る。良い器量だったので60両で売れる。
(ここまで1話目「お小夜身売り」松之丞演)

分け前の話になった時に、重兵衛と揉めて札の辻で斬り殺す。しかもその罪を、関係のない浪人者にきせる。
(2話目、「重兵衛殺し」松鯉演)

亭主は殺された、長女のお小夜は吉原へ。ところが次女のお梅も帰ってこない。長庵が手習い奉公にあげるといってこれまた吉原に売る。

どうなっているんだと、長庵の妹のお登勢が田舎から訪ねてくる。

めんどくさくなった長庵は、金を10両やると言って、三次というヤクザ者に実の妹を吉原田圃で殺させる。しかも10両も払わず、長庵と揉める。
(3話目「雨夜の裏田圃」松之丞演)

話はここから少し変わる。

藤兵衛という男、子どもを産んですぐに女房に先立たれる。男一人で育てていこうと思うが、どうにもならない。自分一人ではこの子を育てられないと、旅の途中、地蔵堂へ子どもを泣きながら捨てる。

これを土地の者が拾う。たちまち、子どものいない夫婦に引き取られて、我が子同様に扱われるが、10歳の時に「お前は捨て子なんだ。捨て子、捨て子」と村の子どもに言われ、自分の因果な出生の秘密を知る。

これ以来親によそよそしくなる。これではかえって気をつかわして、この子によくないと両親は奉公に出す事を決める。

色々な人に相談した結果、厳しいところの方がこの子のためになると。乞食伊勢家と言われるケチで有名な質屋に12歳から奉公へ。

利発な子なので、これが伊勢屋の主人五兵衛に気に入られる。
(4話目「久八の生い立ち」松鯉演)

時は流れ、あれから18年。30歳になった久八は業界でも知られた名番頭に出世をしていた。伊勢屋の白ネズミとまで言われるほどに。五兵衛は女房がいないので、養子に千太郎という若者を迎える。この男が少し世間ずれしている、気弱な男。

そんな中、五兵衛が病気で寝込んでしまう。

父親の代わりに千太郎、質屋仲間の寄り合いに行った際に、吉原へ初めて連れていかれる。ここで小夜衣花魁(さよぎぬ)に一目惚れ。これが長庵の姪のお小夜。今では吉原の全盛の花魁にまでなっていた。

さぁ、この小夜衣のところに連日通いづめ。
(5話目「小夜衣千太郎~なれそめ~」松之丞演)


さぁ、長庵がこの千太郎に目をつける。私は叔父だから、小夜衣を50両あれば身請けさせる事が出来る。思うままにするという。どうしても小夜衣が好きな千太郎は主人が寝込んでいるのをいいことに、家の金に手をつける。あのケチで有名な五兵衛の金だ。

ところが、50両はらっても長庵から何の返事もない、長庵の宅を訪ねると、知らぬ存ぜぬを決め込まれ、さらには殴られて、千太郎血だらけで家に帰る。

長庵を殺そうと、普段は気弱な男が真剣を持っているところを番頭の久八にみつかる。

事情を聞いた久八は、50両を何とかするように考える。

そんな中、五兵衛の病気が全快におよぶ。しかし、久八が対策をたてようとする前に、主人が全快に及んだ事で、この先ただですむわけがなくなる。
(6話目「長庵のかたり」松鯉演)

50両家に穴があき、それを見過ごすわけはない五兵衛。物語はいよいよ佳境に入ってくるという。

この続きは2月2日(土)お江戸日本橋亭で師匠とリレーで読ませて頂きます。

第4回「講談研究室」 お江戸日本橋亭
17時15分開場、17時45分開演 当日¥2500 予約¥2000
080-6774-4594 ご予約・お問い合わせ(留守電対応)
三越前駅A10出口より徒歩2分


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天保水滸伝は予備知識がいらないので問題ないです。

ご来場お待ちしております。