行ってもうた | 両子の仁王

行ってもうた

一抹の寂しさを振り払うように、つとめて明るく娘が旅立って行った。

三番目の絵描き娘の旅立ちは、上二人と違っていることに気づく。


長女・次女はまだ三番目がおるというどこか安心感もあったが、気が付けばこいつが最後だから、あとを見れば誰もおらん。


憎まれ口を叩く横着娘もおらんようになるとちったあ寂しいもんで、相方と二人でしばし立ち尽くすんじゃ。


それでも夢に向って頑張ることに応援するしかないのが親の仕事かと言い聞かせるんじゃ。


野山の桜は先週の温かさで、一気に咲き誇ろうとしているが、安岐ダムの桜祭りも自粛かどうかはわからんが中止らしいし、別府の温泉祭りも中止で、各地でイベント中止も相次いでいる。

でもなあ、だからこそ元気を出す必要もあるち思うんじゃ。


河原座は震災応援ライブを開催する。


今月23日土曜日。


そらジャニーズなライブのようにはいかんけど、気持ちだけも届けたいち思うけん、ぜひぜひ山まで登ってきて欲しいんじゃ。



ところで、一面に咲き誇ろうとしている桜はほぼソメイヨシノじゃけど、知れば知るほど面白い桜じゃち思う。


元をただせば将軍吉宗のお抱え庭師が、江戸彼岸と大島桜を掛け合わせてできたもので、わずか一本から、ワシントンはポトマック河畔の桜も西安岐小学校跡地の桜も世界中の桜は、その庭師が作ったたった一本のクローンと言っても良い。


人間が接木をしていかなければ育たないのがソメイヨシノで、種が落ちてそこから自然に増えるようなものではなく、一本はその一本の一代限りと言うところが人間らしいと思うんじゃな。


じゃから、北から南から時期はずれても、一斉に咲き、一斉に散っていくのかも知れないと、ふと感慨深く眺めたりする。



さあ、自粛も良いが花見でもパッとして寂しさを紛らわせるかなあ・・・・・昭ちゃんと相談じゃ。