法然のよさ | 太田湾守−Irie Ohta−のブログ

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〈死〉ということを基準にすれば、

〈死〉にたいして価値ある〈生〉は、
愚純とか無知とかにあるので、
知識とか高度なよい修行をすることにあるんじゃないということです。
つまり価値観を転倒しているところがあります。
愚かさや無知の持つ一途さに人間的価値の大きさがあるので、
知識があるとか、
善い行いをしているとかということは、
そんなにたいした問題じゃないんだということを法然ははじめて言った人です。
つまり人間の価値観について、
現在でも通用するような考え方を新しく出しているとおもいます。
人間の〈死〉を基準にせよ、
〈生〉を基準にした価値のつけ方はどうしてもよくないと言っているわけです。
〈死〉を基準にした価値のつけ方は、精神的なあるいは形而上学的な意味での価値のつけ方を意味します。
人間の心の究極点を基準にすれば、知識があるということよりも、知識がないということのほうが価値があるんだよ。
また善行をつんだとか、あるいは社会的地位があるとかいうことよりも、ないほうが価値がある生き方なんだよということを、法然ははじめて言ったのです。
それはとても重要な意味をもつとおもいます。
法然のよさは、人間の価値観を、知識とか善い行いとか、あるいは社会的地位が上だとか、お金持ちだとかそういうことに絶対おかなかったことです。
そうじゃないんだ、逆なんだよ、という考え方を確立したことです。