着物の衿には棒衿、バチ衿、広衿の3種類があります。

棒衿は、衿の上から下までが同じ幅のもので男性や子供の着物が、この棒衿です。

バチ衿は、衿の中心から衿下に行くにつれて衿の幅が徐々に広くなっていくタイプです。
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衿の中心と衿下では、これだけ幅が違います。

ゆかたはこのバチ衿タイプですね

バチ衿は着付けが簡単、なおかつ衿が胸に合わせやすい様に調整してある着物です。


広衿は、着付けながら衿幅を体格に合わせて調整するタイプです。
着付ける上では、1番技術がいりますが、胸元がふっくらするので、華やかさや女性らしさが生まれます。

その広衿タイプ、最近はスナップで留めるのが主流ですが、『糸』タイプもまだまだ現役です。

着付ける上では、しっかり留まるスナップが簡単・安心で重宝するのですが、スナップには少々難点があります。

❶長年箪笥にしまっておくと、スナップからサビ・カビが出て、着物や裏地(胴裏)にシミが付いてしまう恐れがある。

最近のスナップは優秀なので大丈夫ですが、30〜40年前の着物はよくこういう事が起こっていて、お手入れでお預かりする事があります。

❷スナップの凸で型が付く。
チョボっと出ているスナップの凸。繊細な生地感の着物は、長年箪笥の中で畳んだままで押されると型が付き、色によっては目立つ場合があります。


あだちでは広衿の『糸とスナップ』をお客様のご要望に合わせて選んで頂いています。


お任せされた場合、紬や小紋は『スナップ』に。
着る機会の限られる訪問着などのフォーマル着物は『糸』にさせて頂く場合が多いです。
箪笥にしまっておく期間が長い程、上記2つの難点が出る場合が増えるからです。


ただ、糸にした場合にも問題点がありますそれは、脱いだ後に糸の始末方法が分からず、糸を切ってしまうお客様がいらっしゃるという事です。

と、いう事で糸を使った広衿の開け閉めを動画に撮ってみました




とても、うまく出来ているでしょう

糸の付け方は仕立て屋さんによって何パターンかあるので、必ず⇧ではありませんが、この様に糸を開いていく、という点では同じですので、皆様、広衿の糸は絶対切らないで下さいね


もし切ってしまったら、あだちにご持参下さいお直しさせて頂きます