KATOで作れるであろう山陽・山陰地方の車両 | 金屋代かずおのお部屋

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周防大島町を拠点に鉄道旅行・鉄道もけいの活動を行っています.

(KATOでも製品化できるはずです)

 

昨今KATOでは完全新規金型の製品が減っている,模型の出来が良くても地域・時代設定の関係で売れ残っている製品(例:415系常磐線:JR化後の姿であれば異なる反響があったと思います)が見受けられます.そこで,現在KATOで製品化出来うる,山陽・山陰地方のモチーフをまとめることにしました.

前提条件

  • ボディの新規金型製作を行わなくてもよいモチーフであること(屋根・内装も極力新規製作は避けます)
  • 台車・スカートなどの比較的小さいパーツの新規金型製作を行うことは許容する
  • 1986年以降の「JR無線アンテナ」の設置は許容する
  • 2021年度カタログに「予定品情報」として掲載されている製品の金型は存在・利用できるものとする
  • 最新仕様製品とする
  • 時代設定は問わない
  • KATOは2021年2月現在「113系2000番台」「115系2000番台」「117系300番台の座席」は最新仕様で製作していません(*)
早速,支社別にまとめていきます.
なお,当記事に限らず,当ブログの記述内容は全て筆者の私見になります.許諾・採算などの関係で製品化が現実的でないモチーフもあると思います.ご容赦ください.
(*) KATOの117系300番台は,内装が117系0番台そのままのタイプ品です.ラウンドハウスブランドですでに製品化されています.なお,113系・115系2000番台と窓割りが同じで雪切り室がない415系100番台を製品化しています.

山陽新幹線

なんといっても100系3000番台「グランドひかり」はぜひ欲しい一品です.2014年に東海道新幹線50周年を記念した製品がKATOとTOMIXから発売されましたが,その企画力の差からTOMIX製品を選ばざるを得なかったことは今でも非常に残念だと現在でも思います.最も,比較的安価な製品を用意するというKATOの戦略は理解できます.
(H1編成の画像は筆者の知人撮影・許可を得て掲載)
N700系4000番台N700S系3000番台はすでに金型があり,後は表記変更・許諾の取り直しで行えるため取り掛かっても良いモチーフです.山陽・東海道新幹線の上り最終列車であり,JR西日本の経営上最も重要な列車の一つであるであろう「のぞみ64号」をモチーフに,室内灯キット付きの特別企画品が用意されても良いのではと思います(輸送上の理由で「室内灯付き」にはできません.できていれば「四季島」「ななつ星」「瑞風」は室内灯付きになっていた可能性があります).参考までに,「N700系1000番台の基本・4両増結・8両増結・室内灯クリア電球色16両分(1両分660円で計算)」の合計は49,610円(10%税込メーカー希望小売価格)です.
なお,N700系5000番台は事故を起こしてますので今回の紹介での優先度は下がります.危うく「新幹線史上初の,乗車中の乗客に責任が一切ない死亡を伴う脱線死亡事故」になりかねなかった,極めて重大な事故です.
(「鉄道事業者の責任で新幹線の乗客が死亡した事故」はすでに起こっています.この事故では旅客の責任が認められています.)

広島支社

  • 瀬戸内色の115系300番台は,既存品の塗り替えのみでも型になるのではと思います.一部編成には自動販売機が設置されていたなど差異が大きい編成群ではありますが,そこはTOMIXに期待します.

  • 急行「みよし」などで使用されたキハ58系にも期待します.画像の他に「赤と白のツートン」「緑と濃い緑のツートン」があり,TOMIXでは過去に発売されていました.「黄色と白のツートン」は過去に京都駅店特製品で発売されていました.
  • 下関総合車両所のEF65も,「D51 200」「C57 1」があるのであれば欲しいところです.とはいえ,他の西日本系の目玉となる客車を新規制作した際の牽引機という位置付けになりそうな気がします.

  • EF59も,EF56の塗り替えで作ることはできるはずです.
  • 差異が大きいですが,可部線・宇部線・福塩線などの旧国もあります.
  • その他,JR仕様で所属表記が「西」のセキ6000「小野田セメント」のホキ9500黄色と白のツートンのキハ30型などが,KATOの既存金型で製造できるであろうモチーフになります.美祢線はぜひ取り上げていただきたいところです.

岡山支社

  • 115系300番台は,半自動ドアのボタン設置前の姿であれば湘南色・黄色とも作れるのではないかと思います.
  • 中間に117系からの改造車を入れた115系K編成もお願いします.ただし,座席がタイプになってしまいます.

  • 過去に発売されていた「サンライナー」「黄色」の117系も,塗り替えだけで用意できるはずです.

(他社製品です)

  • もちろん,岡山機関区の各種貨物用機関車も期待します.

米子支社

(写真は「いそかぜ」です)

  • 長らく山陰本線の顔として親しまれていたキハ181系です.車掌室付きキハ180を作れとは申しませんが,「はまかぜ」で製作したATS-P対応のキハ181は,特急「はくと」「いなば」「くにびき」「おき」「いそかぜ」で,京都・岡山〜上郡〜鳥取〜益田〜小郡・小倉と広い範囲で運用されていました.

  • 「ゆったりやくも」は揃いましたが,リニューアル前の「スーパーやくも(紫)」「緑やくも」も忘れないでいただきたいです.

  • 「さんべ」で使用された20系・スユニ50も作ることはできるはずです.ただし,「ちくま」を軸にした「客車編成セット」になるような気がします.
  • その他,DD51は暖地型・国鉄仕様がまだ未製品化です.現存の1179・1186・1187号機を参考にリリースして欲しいと思います.

他局からの乗り入れ

  • JR東海のN700系2000番台「N700a」を挙げておきます.こちらも事故車ではあります.(よく一緒に言及される殺人事件の当該車両は1000番台です)
  • 山陽本線仕様の151系・181系はまだ登場していません.ぜひ,EF61・サヤ420(この2つは新規金型が必要です)を絡めて遊べるような準備をして欲しいと思います.
  • 20系初期あさかぜも長らく生産されておらず,リニューアルが必要です.呉線仕様でないC62も用意し,2004年カタログの約束を果たしていただきたいところです.
  • キハ82系の基本の製品である「10-550」は長らく再生産されていません.キハ82系が最も輝いていた時代である「食堂車2両・1等車連結・14両編成」の2階建て「かもめ・白鳥」を期待します.「まつかぜ」も含めて,文字通り全国区の活躍を見せます.
  • 一連の14系・24系ブルートレインのフルリニューアル版の最初の製品「10-598・599 14系寝台特急<さくら>」は10年以上再生産されていません.どうしても別のバリエーションが必要という場合は「あかつき・日本海」に使用された「門ハイ」車が良いのではと思います.初期には食堂車も連結されていました.その後は尾久に転属になって「北陸」などにも使用されていました.テールマークのラインナップを「さくら・あかつき・日本海・北陸(全て文字)」にすれば意図した列車に対応できると思います.牽引機はEF70の0番台(これもナンバープレートの新規製作だけで作れる可能性があります)ですと,北陸でも九州でも使えます.
  • 24系24型「はやぶさ・富士」もあっても良いのではと思います.
  • 「佐渡」セットに含まれていた「モハ164-500」は山陽線でも,153系急行列車の増結編成として使用されていました.165系だけの急行列車もありました.
  • 急行「だいせん」はJR化後も12系と14系の併結で運行されていました.
  • 113系についても,かつてはグリーン車付き快速電車の編成が宇野駅まで乗り入れていたことがありました.また,JR化後も「阪和線快速色のクハ+湘南色のモハ」などの5000番台編成が山口県を走っていたことがあります.
  • 50系も0番台を期待します.
  • JR四国のキハ58系・キハ181系は岡山まで足を伸ばしており,作れないことはないと思います.
  • その他,山陽本線・山陰本線を駆けていった貨車セットを企画していただきたいところです.現代の観点でも,「JRFマークがないコキ104・106・107の10両程度セット」はぜひ欲しいです.
また,純粋な再生産としては以下の製品を挙げておきます.
  • 10-239・240 489系<白山・あさま>
  • 10-875 キハ181系「はまかぜ」
  • 3077-1 EF10 3次型
  • 23-503 U41Aコンテナ
KATOの最近のラインナップが「現行仕様」に固まっていることは気になりますが,地元で見ている姿も必要であるということでバランス良く行う必要はあると思います.
色々書きましたが,一つでも形になれればという思いを込めて,この記事を締めます.
最後に,厳しい状況下でも生産・輸送・販売を続けていらっしゃる関係各位に感謝の意を表します.

参考