マヌ34入り KATO 10-1320 スハ32系 中央本線普通列車セット | 金屋代かずおのお部屋

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周防大島町を拠点に鉄道旅行・鉄道もけいの活動を行っています.

2020/11/22〜23にかけて,「鉄道模型コンテスト」がいわゆるオンライン開催で,久野友美氏,南田祐介氏をゲストに,各校の作品の解説,製作者へのインタビューを繰り返す形で行われました.オンライン開催ならではの,東京から離れた地域からの参加もありました.そして最も注目される賞「モジュール部門 文部科学大臣賞」ですが,今回も「地元の学校が地元の風景を製作」した学校が獲得,しかもよく聞くと「鉄道に関係ないシーンも作り込んだ」「(メンバーが集合できないなどの事情はあるとは言え)ほぼ一人で作った」などがアピールされており,このような作品が文部科学大臣賞に値するのかと筆者は感じてしまいました[1].一応,チップLEDを多用している,部品の製作にレーザーカットを活用しているなど,この作品が文部科学大臣賞に値する秀逸な出来であることは申しておきます.

なお,これまで「鉄道模型コンテスト」では,KATO新製品が何かしらの形で発表されるのが常でしたが,今回の鉄道模型コンテスト配信中の,KATO新製品の発表はありませんでした.

 

だからというわけではありませんが,本日はKATOが「マヌ34」を製作したことで注目された,「10-1320 スハ32系 中央本線普通列車セット」を紹介します.2016年に発売されたこの製品は非常に高い反響を浴びて程なく完売,2019年に,特別企画品でありながらまさかのそのまま再生産,筆者はEF64と組み合わせるべく,この度購入しました.

特別企画品は再販されない製品ではないので,再販すること自体には問題ないのですが,驚きの声が多かったのは間違いありません.

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この製品のメインとなる「マヌ34」です.中央本線では勾配がきつく,「EF13」などの貨物用機関車が旅客列車を牽引していました.貨物用機関車には,旅客列車の暖房を賄う蒸気発生機・電気暖房装置などは設置されていません.そこで,老朽化した蒸気機関車を改造した「暖房車」が使われていました.

「スハ32系」は,KATOでは初回発売時初出でした.

所属は「西イイ」で,現在の飯田橋〜水道橋間に存在した飯田町駅周辺の「飯田町客貨車区」所属です.

山手線の内側に車両基地や貨物駅が存在したことに驚きですが,実は平成時代まで使用されていました.

テーマ「【模型車両】東京南・横浜・東京西・千葉」で,「東京西」を「八王子」と書いていない最大の理由が,この製品の存在です.

ライトが光る緩急車として,オハフ33が用意されています.なお,スハ32・スハフ32は2000番代になっていません.(間違いですので修正しました)

荷物車は長ナノのマニ60,スユニ61が用意されました.スユニ61の内地仕様はこの製品が初出です.

増結用製品としては,最近発売された「関スイ」表記の旧型客車セットを個人的に見直しています.

「関水金属」の社名が由来の「関スイ」表記,「関東鉄道管理局水道橋客貨車区」「関西鉄道管理局吹田客車区」「下関鉄道管理局水前寺車両所」などに見立てしまいます[2].

牽引機について

牽引機はEF13(車体載せ替え後)と,茶色のDF50が用意されており,いずれも2回の生産時とも同時生産されています.

ED16を使ってみました.戦中は中央本線の旅客列車にも使用され,爆撃を受けたこともよく知られています.

EF10でもよく似合うと思います.実際には直通列車はなかったと思います.

当時の中央本線では貨物列車にED60・61が使われていました.代わりに,ED62に引かせておきます.

中央本線の客車列車末期ではEF64が使われていました.その頃には電気暖房になっていましたが,この製品は電気暖房非対応です.よって,EF64を使っていたとしても,暖房車が必要となります.

 

非常に優秀なセットであり,中央本線以外でも十分遊べます.

余談ですが,TOMIXのヨ5000は所属「西コフ」であり,一緒に遊べと言わんとばかりでした.

筆者が中央東線を使用したのは1回のみですが,KATO製品を集めていくと西線も含めて中央本線(支線含む)の車両が多数集まり,しかも全く不満なく遊べてしまいます.地元の車両で遊ぶ方がストレスになると感じることがあるほどです.山岳路線ですが,支線である南武線・鶴見線・関西本線・信越本線も含めると海も見えます.今後も,国鉄・JR問わず中央本線の車両はどんどん増えるものと思われます.

 

しかし,それにしても「特別企画品」のそのまま再生産は頂けにくいです.筆者のように救われたケースもあるかもしれませんが,せっかくEF13とマヌ34を作ったのであれば「旧EF58(EF13に車体を供出します)とマヌ34を使用した,東海道本線の特別急行列車」を再現して欲しかった気がします.執筆現在,東海道本線の特別急行列車が仕掛品にあるので尚更に強く感じます.その他,マヌ34は北陸本線でも使用されていたようです.

2021年の鉄道模型コンテストの日程

2021/8/14・15に九州大会が,8/20・21に東京大会が,会場設定も新たに設定されました.やはり,鉄道模型コンテストは作品を一堂に会したモジュール連結連続走行が魅力なのではと思います.今度は実開催できると良いですね.

鉄道模型コンテストは作品の輸送に美術品輸送がよく使われており,費用が高くなる印象が強いですが,「モジュール部門」の作品は,パネルの寸法が合計130cmであり,「特大荷物」として新幹線に乗せることが可能であると思います.

筆者は記念製品2種を注文しましたが,既に発売された1種は未だに入手できていません.こちらにも意見はあるので,入手次第記事化しようと思います.

 

[1]:この「鉄道模型コンテスト」,過去には「地元の学校が地元の風景を製作」「女子校の生徒(当然,チーム全員が女子生徒)が製作」した作品が文部科学大臣賞を受賞しています.

[2]:いずれも架空の部署ですが,「水道橋駅」「吹田駅」「水前寺駅」の電報略号はいずれも「スイ」です.また,「関水金属」の社名は当時の所在地「文京区関口水道町」から取っていますが,「関口水道町」「水道橋」は同じ「水道」です.

 

※撮影は「sMALL wORLD」で,相談の上行いました.誠にありがとうございました.

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