(セ・リーグ、阪神5-7巨人、23回戦、巨人12勝11敗、28日、甲子園)リーグ4連覇へ後がない巨人が10安打7得点で阪神を振りきり、2位に浮上した。敗れた阪神は3位に転落、優勝マジックは8のままとなった。

 “虎キラー”は健在だった。1軍再登録、即スタメンで「7番・右翼」に入った長野(ちょうの)が、一回に適時打。糸を引くような打球が左前で弾んだ。

 「ファームで岡崎(2軍)監督、コーチにいろいろと勉強させていただき、気持ちを新たにして、きょうの試合に臨みました。重要な試合のスタメン起用に応えたかった。最初の打席で結果を出せてよかったです」

 この試合前まで、阪神戦は打率・414、4本塁打、12打点。25歳の新人が虎に牙をむいた。

 長野は8月を終えた時点で打率・303と好調を維持していたが、9月に入ると急ブレーキ。9試合で25打数1安打。打率・286に下がり、17日に初めて降格となった。

 2軍では試合が終わると、すぐに岸川2軍打撃コーチとともにビデオで打撃フォームをチェック。練習に打ち込む時間に充てるため、1軍のテレビ観戦さえしなかった。

 「ファームでいい経験をした。練習に付き合ってくれた岡崎監督に恩返しをしたい」

 三回の第2打席は遊撃内野安打、五回無死二塁からは左前打を放ち、今季13度目の猛打賞(1試合3安打以上)をマーク。2リーグ制後の新人では、1958年の巨人・長嶋茂雄の14度に次ぎ、歴代2位の記録だ。

 チームはあと1敗でV逸という厳しい条件で、甲子園に乗り込んだ。スタンドをほぼ埋め尽くす虎党の大歓声が銀傘に反響してグラウンドに降り注ぐ。それでも、背番号7が躍動した。
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