去年僕は人生最大の恋をした。
地元の友達、山岡鶴子(仮名)
その子は非常に可愛らしい顔立ちで、ノリも良く家族を大事にする素敵な子だった。
そして僕は数少ない経験から、
好きになった女の子の共通点を見つけた。
"血液型 B型"
調べたら自分O型との相性は抜群らしい。
またB型女子あるあるというネットの情報で、鶴子ちゃんのことをすべて知った気にもなってしまった。
鶴子ちゃんとの恋の打球は、ピッチャーライナーのようにまっすぐ線を描き、あっという間にアウトになって年が終わった。
それからというもの、男性女性問わず、会う人に血液型を聞くようになった。
自分が思う血液型のそれぞれは、
A型 王道
B型 強さがある
O型 おおらか
AB型 仕事は特にマジメ
しかし、血液型を気にするのは、日本人だけという情報が入ってくる。
たしかに、同じO型でも自分を取り巻く環境によって、大きく変わったりする。
家族の愛情いっぱい受けて育ったO型と、生まれたときから両親がいなくて、親戚に預けられ育ったO型は、違うニュアンスを持ち始める。
その他金銭関係、兄弟の有無、習い事など沢山のきっかけがその人のパーソナリティを形成する。
もちろん人の性格は4種類に分類できるなんて思ってない。あくまで指標だ。
十人十色という言葉お気に入りな四字熟語であるくらいだからだ。
今後、人類の進化にともない新たな血液型が出てくるのではないか。
A型、B型、O型、AB型のどれか一つの組み合わせのうち、新たな血液型を誕生させる組み合わせがあるかもしれない。
A-O型男性とB-O型女性の子供のうち、1000分の1の確率で新種の血液型を持った子供が生まれて、仮にそれをF型と定義する。(Fantasy,Fictionより頭文字を採用する)
20xx年、中国福建省にてある女性の出生児の血液型がF型と発覚した。
F型を持つ人間は、従来の血液型を持つ人間より運動能力、頭脳明晰に長けていたのだ。
それから数年、中国の至るところからF型の出生児の連絡が相次いだ。
中国政府は、今後F型の出生児の処置に対し、
緊急機密会議を行った。
「これからF型を人工的に増殖させ、優秀な人類を誕生させていこう」
「F型の発生により、新たな血液型が次々に誕生し、世界を混乱に招くのではないだろうか」
今後の地球の未来を背負った会議は、白熱していき、F型増殖派とF型撲滅派の二つに完全に分かれてしまった。
しかし、会議の幕は閉じた。
過去にウイルスを蔓延させ、世界の国々に支障をもたらした中国にとって、F型は、脅威に感じたのだった。
F型撲滅法が可決され、1年後、本格的にF型撲滅法が施行されたのだった。
その頃すでに約100人に増えたF型の出生児、幼児は、
重慶市にある地下施設に隔離されていったのだ。
数人の係員は、F型の子供達の綿密な検査が終わり、施設の八つの角から猛毒ガスを噴射し、大量虐殺を図ったのだ。
翌日、施設に充満した毒ガスを吸い込み、中を除くと100人の姿見えなかった。
入り口から反対側の底に、長方形の穴がぽっかり空いていたのだった。
昨晩、毒ガス噴出前に、8人のF型幼児が身につけていた服のボタンで噴出口を塞ぎ噴射威力を軽減している間、チャック式の衣類を着た幼児推定18人がチャックを引きちぎり、未知の腕力で底に長方形の穴を掘り脱走に成功したのだった。
係員は目を丸くさせながらすぐ本部に連絡をし、捜索を図ったのだが、一人も発見されることはなかった。
【消えたF型の100人】の行方を誰も知らぬまま、時が過ぎていった。
それから20年後、チベットの山奥で7機のロケットが時間差で離陸した。
銀河系を抜け、ある星に着陸し、ロケットから
100人あまりの成人した顔立ちのいい男女が降りてきた。
その中のある一人の男が、その星をFameと名付け、
「ここが本拠地だ。今から地球撲滅計画を施行する、準備に取り掛かれ。」
と指示を出した。
それから間も無く、地球の空から何千もの核ミサイルが降り注ぎ、地球上の生物は跡形もなく滅亡した。
中国は、世界にまた迷惑をかけたのだった。