#748 もんた&ブラザーズ「赤いアンブレラ」/ アリス「帰らざる日々」 | 漂流バカボン

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何か適当なテーマを自分で決めて自分で勝手に述べていこうという、そんなブログです。それだけです。

先日、立て続けに、2人のミュージシャンの訃報に触れました。

 

もんたよしのり、そして谷村新司。

 

二人とも、自分が子供時代に、テレビでよく観ていたミュージシャンでした。

 

 

もんたよしのりといえば、大多数の方が「ダンシング・オールナイト」の人、と思うでしょうし、自分ももんたよしのりを知ったきっかけは、この曲でした。

しかし、自分がもんたよしのりで一番好きな曲は、この「ダンシング・オールナイト」に続けてリリースされた、「赤いアンブレラ」です。

 

スローバラードのこの曲、派手さはありませんでしたし、「ダンシング・オールナイト」のような大ヒットにはなりませんでしたが、ハスキーボイスのもんたよしのりがこの曲を歌うと「男の色気」が漂う感じがして、子供時代の自分はこの曲のもんたよしのりに(同性ながら)キュンキュンしていました。

 

 

この曲を、今回改めて久しぶりに聴きました。

 

この曲の題名は「赤いアンブレラ」ですが、歌詞の中には全く赤いアンブレラは登場しませんし、具体的なシチュエーションはほとんど語られません。

それでいて、曲全体に哀愁と寂寥感が漂い、聴くものの情緒を揺さぶられます。

 

今久しぶりに聴いても、むしろ子供時代に聴いた時より一層心に響き、もんたよしのりのカッコよさを再認識させられる、そんな曲です。

 

 

 

 

そして、谷村新司。

 

自分は子供の頃から、テレビやラジオ番組を通じて、アリスとして、そしてソロとしての谷村新司の楽曲に触れてきました。

 

そのそれぞれの曲は、特にメロディーなどは自分の子供心にも響いていましたが、正直それらの曲の歌詞に関しては、あまり関心を持ちませんでした。

 

しかし、自分が成人して改めてアリスや谷村新司の曲を聴くと、子供の頃には分からなかった曲の歌詞が、自分の心に響くようになりました。

 

特に、谷村新司作詞のアリスの曲には、女性の視点で語られる失恋の曲がいくつかあり、「冬の稲妻」「涙の誓い」などは、恋愛で傷ついた女性の心情が、情念を込めて綴られています。

 

その、谷村失恋ソングの究極ともいえる曲が、今回紹介する「帰らざる日々」です。

 

 

 

 

♪  最後の電話 握りしめて

 何も話せず ただじっと

 あなたの声を聞けば 何もいらない

 命を飲みほして 目を閉じる

 

 

 

失恋した相手に電話をかけ、相手と通話しながら服毒を図る女性の心境を歌った、壮絶な曲です。

(今の世の中で、少なくともメジャーにおいてこのような曲がリリースされる事は、まずないでしょう。)

 

この曲を聴くと、まさに真の恋愛とは、決して戯れごとではなく、自分の生命さえも賭けた業の深い営みなのだと改めて思います。

 

 

 

 

もんたよしのり、谷村新司。

 

子供の頃から見ていて、それでいて今、歳を重ねた自分に、さらに刺さってくる作品を作り上げてくれたお二人。

 

このお二人のご冥福を、心よりお祈り申し上げます。