#230 チューリップ「博多っ子純情」 | 漂流バカボン

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何か適当なテーマを自分で決めて自分で勝手に述べていこうという、そんなブログです。それだけです。

先日、1泊2日だけでしたが、久しぶりに所用で博多に出向きました。










自分が博多に来たら、必ず思い出す曲があります。




それは、やはり博多出身のバンド、チューリップの歌う、「博多っ子純情」という曲です。




福岡は、昭和40年代から50年代にかけて、有名なミュージシャンを沢山輩出しています。


自分の大好きな井上陽水もそうですし、かぐや姫、海援隊、甲斐バンド・・・。




また、ちょっと時代やジャンルは違いますが、松田聖子やチェッカーズも、福岡出身です。




チューリップは、財津和夫、安部俊幸(残念ながら一昨年にお亡くなりになられましたが)を中心として1972年にデビュー。


「心の旅」「虹とスニーカーの頃」「サボテンの花」「青春の影」など、数々のポップでハートフルな作品を残しているバンドで、もちろん自分も大好きです。




一方、『博多っ子純情』と言えば、長谷川法世による、博多を舞台にした、青春劇画です。


博多の風物や人々の生活、そして博多祇園山笠などの祭りの様子を活き活きと描いた、人気漫画でした。










チューリップの「博多っ子純情」は、この劇画の世界をベースにして、安部俊幸作詞、姫野達也作曲で作られた、切なくて美しい曲であり、「チューリップの隠れた名曲」とも言われています。




アコースティックギターの優しいイントロから始まり、姫野達也の高音のボーカルが続いて、バンドの曲というよりはフォークソングの様な味わいを醸し出していますが、やはりこの曲は歌詞が素敵です。




一見豪傑な博多の男たち。一見気まぐれな博多の女たち。でも、心の中は優しくて、それぞれの淋しさを抱えている。




♪人ごみに身を任す  黄昏た中洲では


  誰でもが少しだけ 優しくなれるさ


  夜の女たちは 気まぐれで移り気だよ


 紅をさして 男誘う


  だけどいつか 愛が欲しいと春吉橋で


  人に隠れ 涙流す




この曲の歌詞を思い浮かべながら博多の街を歩くと、




例えば中洲とか、







 


歌詞にも出てくる「春吉橋」とか、






那珂川のゆったりとした流れなんかの、何でもない博多の光景のひとつひとつが、とても心に沁みてきます。









それに、博多は食べ物やお酒も美味しく(屋台はさすがに週末で混んでいたので、独りでは寄れませんでしたが)、また博多が一段と好きになりました。




この、「博多っ子純情」歌詞の最後にもあるように、また独りでも訪ねたくなる街です。


きっと博多は、華やかさと寂しさが、相容れながら同居している街なのでしょう。




♪どこか遠い知らぬ町へ行きたいと


  思う時は 行くといいよ


 独りぼっちならば ポケットに手を差し込み


 背中丸め 歩けばいい