#193 カノッサの屈辱 | 漂流バカボン

漂流バカボン

何か適当なテーマを自分で決めて自分で勝手に述べていこうという、そんなブログです。それだけです。

今日のテーマは、「カノッサの屈辱」です。




1077年、神聖ローマ皇帝ハインリヒ4世が、ローマ教皇グレゴリウス7世の赦しを乞うため、カノッサ城門にて・・・




という、世界史上有名な事件の、「カノッサの屈辱」の事では、勿論ありません。




1990年頃、深夜に放送されていた伝説の(?)テレビ番組、「カノッサの屈辱」の話題であります。









この番組を自分が見たのは、確か偶然だったと思います。




1990年当時、自分は大学生で関西在住でした。しかし、両親は東京で生活しており、休みには時々東京に帰っていました。




その当時、関西では深夜のテレビ放送、お笑いの番組は多かったと思いますが、そのほとんどが関西のキー局制作の番組で、よしもと所属の芸人などが出演している番組が大多数でした。




そんな自分が、東京に帰った時に、ある夜、することもなくぼんやりとテレビを見ていると、突然重厚な音楽と共に、とある番組が始まりました。




画面からすると、教育番組のようで、あれっ、でもNHK教育テレビなんか見てなかったはずなのに・・・と思った時に出てきた番組タイトルが、「カノッサの屈辱」。




「カノッサの・・・屈辱?」もちろん、センター試験を世界史で受験した自分にとって、「カノッサの屈辱」という用語は知っていましたが、何故それが番組タイトル??




しばらく目がテンになった状態でいたところ、番組が始まりました。




次に出てきたのは、案内人の仲谷昇。「やあ皆さん、私の研究室へようこそ」。









そこから展開されたのが、歴史教育番組を模した、流行りものを中心としたパロディー番組だったのです。




その頃放送されていた、以下に挙げるこの番組のテーマタイトルから、内容を想像してみて下さい。




「律令ディスコ国家の成立と文化」

「古代エーゲ海 アイドル帝国の興亡」

「古代シャンプー王朝の黎明とヘアニズム文化」

「デート資本社会の構造」

「結婚電気学 Iと抵抗の仮説」・・・・・・・・


この番組では、例えばディスコの回では「マハラジャ」や「ジュリアナ東京」などを一つの国家と見立て、その勢力争いや発展・衰退の様子を、あくまで「歴史番組風」に大真面目に語ります。

この様なノリの番組は、関西ではこれまで見たことがなく、ついつい夢中になって最後まで見ると、エンドロールのクレジットに、「制作 ホイチョイ・プロダクション」の文字がでて思わず納得。

当時ホイチョイ・プロダクションといえば、映画『私をスキーに連れてって』の制作をはじめ、いわゆるバブル時代の流行の先端を走るクリエイター集団でした。

やがて関西に帰った自分でしたが、ほどなくしてこの番組、関西でもオンエアが始まり、一時期はちょっとした話題の番組になりました。

ただ、何回か放送を観ていると、だんだんテーマのいじり方のパターンが見えてくるため、正直ちょっと飽きてきます。

おそらくこの番組が放映されていた期間は1年間くらいだったと思いますが、この位が番組としての寿命だったのだろうと思います。

今は、この番組放映から四半世紀が経過し、その頃の内容の大半は古臭いものになってしまいましたが、もう一度、短期間でいいので現代のテーマでリメークしてほしい番組です。「スマホvsガラケー」とか「アイドルグループ」とか・・・。