■タイトル 天国までの49日間
■作者   櫻井千姫
■あらすじ 
14歳の折原安音は、クラスメイトからのいじめを苦に飛び降り自殺を図る。死んだ直後に目覚めると、そこには天使が現れ、天国に行くか地獄に行くか、49日の間に自分で決めるように言い渡される。幽霊となった安音は、霊感の強い同級生・榊洋人の家に転がり込み、共に過ごすうちに、死んで初めて、自分の本当の想いに気づく。一方で、安音をいじめていたメンバーも次々謎の事故に巻き込まれー。これは一人の少女の死から始まる、心震える命の物語。
■出版社  スターツ出版文庫
■表紙

■感想 
人の持っている強さについて考えさせられました。

ここでいう強さは、肉体的ものではなく、もちろん意志の強さのことです。

いじめに屈しないことは強さなのか、いじめる側でいることは強さなのか、一人で居られることは強さなのか。

きっとどれも強いことの証明にはならないですね。

 

死後の自分の家族や友達の姿を描くという難しい設定ですが、とても明瞭に描かれていました。

死なないとわからないことというのは本当にあると思います。死んで初めて分かるというのはとても切ないですね(>_<)

でも、作中で生まれ変わりについて言及されていて、死が終わりだけでなく始まりだということが、主人公にとっても読者にとっても救いだと思いますニコニコ

なぜなら、安音は死んでから人の優しさに気付くことができたのに、それで終わりというのは悲しすぎるので。その気持ちを生まれ変わっても引き継いで欲しいですニコニコ

 

私は常日頃から痛感しているのですが、人と関わるということはとても勇気がいると思います。

安音の姿が見え、彼女と49日間を過ごした榊くんは、幽霊が見えるということで人から理解されず、人と関わるのを諦めてしまい、孤独への道を選んでしまった少年です。安音と出会ってその気持ちに変化が芽生えるわけですが。

彼のように一度人への信頼を失ってしまった人が、改めて人に関わり心を開くのは勇気がいることだと思います。最後にはそれに気付き、人に踏み込んで行こうと決意した榊くんの姿が印象的でした照れ

 

2017年の現在でも、いじめによる自殺は起こり続けていますね。

小学校では必修となる道徳の教科書に「いじめ」を題材にしたページを載せるそうです。

どうしたらいじめはなくなるのか、というのは私にはわかりませんが、いじめる側もいじめられる側も自分を大切にするということを心がけて欲しいです。一人一人が自分を大切にし、自分を大切にしてくれる人と一緒にいることができれば、それで心が満たされるのではないでしょうか照れ

日本人は自己犠牲を美徳とし、我慢することこが評価されますが、結局それは他人の都合から生まれた評価なので、一時的にしか心が満たされないです。自分のことを一番好きになってくれる人は、実は自分自身なのです。

それに気づけば、いじめというのは激減するのではないでしょうか。心が満たされている人は、いじめをしないはずです。

道徳の授業でもそういう心のあり方、自尊心の持ち方について触れて欲しいです。