イギリスの詩人、ジョン・キーツとその恋人の物語です。
本編は、全編を通して美しい映像で彩られています。
豪華さはないけれど、ささやかな窓の光や庭の花々が美しくて、キーツの詩にぴったりだと思います。
ウィショー君も、歌ってくれたり、猫を構い倒してくれたり、髪に花を飾ってくれたり、色々な表情が見られます。
弱々しいのに、どこか芯があって男らしさもある、そんな役を繊細に演じていました。
でもね~、キーツって25歳で死ぬことが分かっているので、余計にその幸せな日々に翳りが見えるのが怖くて怖くて。
幸せなシーンが少女漫画のように順調にいけばいくほど、やって来る不幸に対して身構えてしまいました。
でも、もう死ぬだろうと思いながらイタリアへ療養に旅立つ前の日のシーン、特に素敵だと思います。
ファニーとおでこコッツンコして、囁き合うの。
指を絡めて握り合って、離れがたい様子で。
私がファニーだったら、絶対にキーツを1人でイタリアなんかに行かせないと思いました。
裁縫でも何でもして、金を稼いで付いていく!
まあ、時代が時代だから、女性が表立って稼ぐことはできなかったのでしょうけど。
すごく悲しい物語ですが、優しさに溢れた美しい映画なのでぜひご覧ください