夕焼け
夢を見た。夕焼けを見て、泣いていた。どうして、こんなに泣くんだろう。どうして、こんなに辛いんだろう。誰の姿も見えない道で、風だけが頬を撫でていく。あの日と同じ 空の色なのに、もう隣には誰もいない。声を出そうとしても、喉の奥で言葉が溶けていく。あのとき言えなかった「さよなら」が、胸の奥でまだくすぶっている。夕陽は沈むたびに、少しずつ何かを連れ去っていく。それでも私は、立ち止まったまま動けない。この涙の理由を、誰かにわかってほしいわけじゃない。ただ、あの空の向こうにいる誰かに——もう一度だけ、会いたかった。目が覚めても、まだ夕焼けの色が瞼の裏に残っていた。胸の奥が熱くて、息をするたびに痛い。もう夢だとわかっているのに、あの赤い空の中で泣いていた自分が、まだどこかにいる気がする。誰かを失った痛みって、時間が癒してくれるものじゃないんだね。ただ形を変えて、静かに日常に溶けていくだけ。笑っているときも、ふとした瞬間に、あの光が差し込んできて、胸の奥を締めつける。もう戻れない場所、もう届かない声。それでも、心のどこかでまだ信じている。あの日の夕焼けの向こうで、あなたが笑っているような気がして——。