フォーリーブスと郷ひろみのファンで、10代の女のコの70％を独占しているといわれたジャニーズ事務所が大揺れに揺れた。どうやら郷ひろみはとび出し、フォーリーブスは残るという形でおさまりがつくようだが、
1974年9月頃に、 郷ひろみがジャニー喜多川さんの入院中にジャニーズ事務所を飛び出した、という記事です。記事には、今日の我々が知りたいような情報は載っていないが、当時の状況と、ジャニー喜多川さんのコメントを切り取り引用。
記事では、フォーリーブスの解散騒動についても、ひろみ以上にページが割いてあるが、今回はカット。当時の郷ひろみの人気は飛びぬけていたが、格というものがある。ジャニーズ事務所においても、CBSソニーにおいても、フォーリーブスの存在感は大きかったようです。だが今回は、郷ひろみの移籍騒動についてのみ引用。
週刊明星1974年10月13日
ジャニー喜多川さんは、この6月から3カ月間、十二指腸潰瘍で赤坂の山王病院に入院していて、このほどやっと退院してきたばかり。「帰ってみたら、まるで浦島太郎でしたよ。郷ひろみは独立するというし、フォーリーブスは解散するというしね。ぼくが事務所にいないと、どうしてこんなことになっちゃうんでしょうね」
去年の暮れ、ひろみの母のテルヨさんが、事務所の待遇を不満にして、「ひろみは引退させます」という〝爆弾発言〟をやってのけたあと、ギャラアップとともに、
ところであのときは、母の爆弾発言に対して、ひろみが「ぼくは絶対に芸能界をやめない」とがんばり、母も彼の〝情熱と根性〟に打たれて引退宣言を撤回した━ ということになっていた。
「ここまで騒ぎが大きくなった以上、ぼくが事務所を出ないといったら、ウソになるけど、ただジャニーさんとけんか別れはしたくないんです。お父さんやお母さんとよく話し合ってほしいと思います。
今度の問題点は何か。給料は前回のギャラアップで解決済みだとすれば、学校問題がそれか。そういえばひろみは、堀越学園高校を今年3月に卒業するはずだったが、いまだに3年生。口癖のように「大学に行きたい」といっている彼としては、
ひろみが大学進学を真剣に考えている形跡はない。とすれば独立の動機はやっぱり金銭問題か。ジャニー喜多川さんは、それ以外にないと、最初から思っているようだ。
ひろみの月給は、前回のゴタゴタのとき、5万円からいちはやく12倍増の60万にアップした。それでも安いことは安いらしい。（中略）だが60万という金額に関しては、ジャニーさんは決して安くないと主張する。
「（前略）高級なステージをつくるために、衣装にも金をかけるし、とくにひろみなんかの場合、お客に喜んでもらえるショーにするためにも、照明もスタッフも、一流どころをいっぱい連れていく。そっちに金がかかるから、タレントの取分は当然少なくなりますよ。
細かいことをいうようですけれど、先だってひろみをアメリカに連れて行ったときも、ひろみだけをファーストクラスに乗せ、ぼくはエコノミークラスで行きました。そういうことがタレントの価値につながるというぼくの考えなんです。そういうふうにしてぼくは大事にひろみを育ててきたんですが、それをわかれというのがもう無理なんでしょうか。
また、そういうタレントの不満につけこむ、ハイエナみたいな業者がこの世界にはいっぱいいるんです。（中略）そういう人たちに限って、ひろみのようなタレントをひとりでも育てたことがありますか。こういう商法がまかりとおる芸能界というものが、つくずく空しくなりますよ。
これに対抗するためには、悲しいことだけど、これまでのウチのファミリー・ムードを一変して、ビジネスライクに金もうけに徹し、それをタレントに還元してやるしかないんでしょうねェ」
ジャニーさん曰く、金銭の問題だと。大事に育てたのに、ハイエナに奪われてしまった。金に釣られて出ていってしまった。ということのようです。
郷ひろみは1974年9月21に、自身最大のヒット曲『よろしく哀愁』をリリースしているが、ジャニーズ事務所から独立したのは、曲の発売前だと思われるが、プロモーションはどこの事務所でやっていたのか。タレントのスケジュールなど何カ月も前から埋まっているものであり、急に、明日からこちらの事務所で、とはいかないはずであるが、そのあたりの事情はわからないですね。
ジャニーさんは、芸能そのもの（歌やステージ）もしくは、芸能ビジネスに興味があったのか、何を目的に芸能事務所を設立したのかと、疑われてしまっているのですが、後にフォーリーブスなど内情を暴露する人も出てくるわけですが、この記事ではそういった事情には触れていないですね。たとえ実情を知っていたとしても、そんな話を記事にできるわけはないが、実際に、郷ひろみの移籍騒動は、金銭の揉め事であり、フォーリーブスと違って特殊な問題はなかったのかもしれない。勝手に疑って、何かおもしろい話が出てこないかと探してみたが、そんな話はないということですね。
おわり。