〝天地真理が、テレビ局の控室でテーブルの上にあぐらをかいてタバコをプカプカ〟という噂を聞いて、記者は彼女に迫った。

 

女性自身 1974年11月28日。

 

真偽のほどは、ともかく、天地真理は、うわさの宝庫みたい。とかく、いろんなウワサがたちやすい。「なぜなの?」自問自答する真理ちゃん。「なんでなんでしょう。私だけが、あれこれと・・・・」

 

巷にまたひとつ、彼女の新しいウワサが流れた。

〝天地真理のタバコ事件〟

テレビ局で某記者が、彼女の控室を開けたら、真理ちゃんが、タバコをプカプカ吸っていた。「たったひとりで椅子に座ってならともかく、テーブルの上にあぐらをかいて」と注釈がつく。

 

11月11日。有楽町、渡辺プロダクションのアーチスト・ルームで彼女に聞く。

 

「喫ったっていいでしょう」

と、真理ちゃん。そうです白雪姫と呼ばれる彼女だってタバコが悪いわけはない。

「でも、事実とまるで違うんでは困っちゃう。23才だし、もう吸ってもいいと思ってるんですが」

 

そして、真顔で、「ホントは、わたし、タバコ吸いません。できないものはできない。(うなだれ)なのに・・・トルコのときもそう。

 

― 体にイレズミがあるってウワサも出ましたね。

 

「ああ、水着の撮影でビキニにならなかったときに・・・。沢田研二サンとのウワサもあった。クリーニング屋サンが沢田サンのドアを開けたら、わたしがいた」

真理ちゃんは、平然と喋りだすのである。

「残念ですが、沢田サンの家に行ったことがありません。いかないのだから、いかない、としかいえない」

 

〝沈黙〟するのは苦しい。がそうやって、流言飛語を乗り越えてきた。

でも、今日は語る。22才(23才)の誕生日に、なにかを感じとったせいだという。

彼女は、化粧をしていなかった。家でしかしない鼻メガネを今日はじめてかけて来た素顔であった。

 

「わたしの母はタバコを喫います。母は、父と離婚してから喫いだしたみたい。母ひとり娘ひとりなので、母が食事のあとなんか、おいしそうに喫ってるのを見て、わたしまでホッとしました」

 

いつ頃からタバコの噂が出てきたのか。かなり前からのようだが、わからないですね。本人が吸っていないというのだから吸っていないのだろうが、喫ったっていいのである。当時は、多くの女性タレントが喫煙していたようだが、真理ちゃんが喫煙していたとしたら、興味本位でも周囲のタレントや母親の影響でもなく、男の影響だったに違いない。

 

とかく、いろんなウワサがたちやすい。

「なぜなの?」

自問自答する真理ちゃん。

「なんでなんでしょう。私だけが、あれこれと・・・・」

 

なぜ自分ばかりなのか。それは、一番ウワサの立てがいがあった。書きがいがあった。ということであるのだが、それにしてもおかしいのではないか。渡辺プロには他にも大物タレントが何人もいたのだが、他のタレントのウワサ話はいろいろ耳に入ってくるが、書かれるのは自分ばかりである。

 

 

芸能王国渡辺プロの真実。

元渡辺プロダクション取締役・松下治夫

発行日: 2007年7月18日

 

より引用。

 

だが、厄介なのは、きっちり情報をつかんでやってくるマスコミだ。

 

もちろん、ただ止めてくれといっても止めてくれるわけがない。

 

だから、こっちもカードを切らなきゃいけない。記事の穴埋めとなる情報を与えるのだ。

「その記事のかわりに、このネタでいってよ」と交渉する。

 

一般紙はともかく、『週刊明星』『週刊平凡』などの芸能マスコミが、渡辺プロのタレントについて思いきったネタを扱った時は、実はもっとやばいネタが隠されていたのかもしれない。

 

それで当時の真理ちゃんの場合は、他のタレントのダシにされていたのか。守るつもりがなくただ放っておかれていたのか。天地真理さん本人の本当に知られてはまずい(男性関係など)を隠すために、つまらないネタを振りまいていたのか。わからないが、ネタにされやすいのは、その後も今日まで続いているようである。

 

 

彼女は、化粧をしていなかった。家でしかしない鼻メガネを今日はじめてかけて来た素顔であった。

 

雑誌の取材(この記事の取材は11月11日)には、スッピンで出てくるようになったようです。9月15日の九段会館のステージでは、化粧をしていなかったと本人がいっている。それも男の影響だったのかもしれない。

 

おわり。