「ダーティーハリー」のドン・シーゲルが監督した1973年の作品。

 古い映画ですがとってもテンポの良いクライムアクション映画です。

 クエンティンタランティーノ監督の「レザボアドッグズ」が1992年の作品ですから、その19年も前にこのクォリティとテンポ感で主人公が凶悪犯罪者で善人が死にまくるアクション映画が成立していたことに驚きました。(1967年の「俺たちに明日はない」のヒットの流れでこの時期に犯罪映画が進化していったのでしょうか)

 映像やアクションやストーリーはとにかく最高に面白いのですが今見ると気になる…というか笑っちゃうところが数カ所ありました。

 冒頭、主人公のウォルターマッソーが凝った変装を解いていくのですが変装を剥いでも剥いでも出て来るのはタケノコみたいにそのまんまウォルターマッソーなとことか、あんなに面白いウォルターマッソーがモテ過ぎて初対面の堅い職業の美女に体を奪われまくるところとか(ジョニーイングリッシュのローワンアトキンソンを彷彿とさせますが笑わせようとしているのではなくマジでやっているのです。)そのコント感が凄い!

 あと主人公の強敵が女性を口説くときの必殺技が酷すぎる!

 フェミニストの方々が見たら卒倒しそうな雑な技で女性をモノにしてしまいます。

 今の映画界で起こっている女優さんに対するセクハラや暴行問題、悪しき伝統を風刺しているかのようなデフォルメされた酷い場面なのですが、これまた風刺ではなくマジでやってるのがさらに酷い!

 そういうズレた時代性も含めて今見てもとても最高に面白い(良いか悪いかは別にして)映画でした。