そもそも邦画・洋画に関わらず恋愛映画って興味なくてあまり見ないのですが「エターナルサンシャイン」だけは好きで何度も何度も見てしまいます。
ちなみに恋愛ソングも興味ないんですがオフコースと初期の松山千春と荒井由実だけは聴いてしまうのと同じ感覚でしょうか…
恋愛を動物的な恋愛に終わらせずにアートまで昇華させているような、そんな厳粛な気持ちにさせてくれるのが「エターナルサンシャイン」と言う映画です。
脚本・演技・映像・音楽、全てが完璧なこの作品ですがまず特筆すべきは主演のジムキャリーの哀しいピエロ芝居!
いつものジムキャリーは明るさが湧き出て来る演技なのですがこの映画のジムはとにかく明るさのかけらもないダークな道化なのです(彼に本気の芝居をさせた監督も凄いと思います。)
皆さん大好き「ジョーカー」を悪く言ったら叩かれるのでジョーカーの感想はあえて言いませんが「ジョーカー」のジョーカーがエターナルサンシャインのジムだったらなぁと思ってしまいます。
そして音楽!
大学生の頃、私の周りにはベック好きが大量にいたのですが何故か私はあまり好きではありませんでした。
しかしこの映画の中のベックは最高です。
彼もまた別人のようにダークに徹して音楽を作っております。
恋愛って始まりから中盤にかけて得られる正のエネルギーと同じ分だけ終わりに負のエネルギーを発しますよね。
その恋の終わりの負のエネルギーをそっくりそのまま表現しているのです。
サントラにはベックの他にも古い物から新しい物まで様々な曲がバラエティ豊かに入っているのですがその選曲センスも完璧で部屋でCDを流しておくだけで部屋の空気が綺麗になり一日美しい気持ちで過ごせます。
自分もこういう場の空気や人の心を浄化するレベルの作品をいつかは描きたいなぁと思います。