エーザイ認知症薬レカネマブ、厚労省部会が承認

ロイター編集

厚生労働省の専門家部会は21日、アルツハイマー病の新薬「レカネマブ」について使用を認めると決定した。写真はレカネマブのパッケージ、エーザイ提供(2023年 ロイター)

[東京 21日 ロイター] - 厚生労働省の専門家部会は21日、アルツハイマー病の新薬「レカネマブ」について使用を認めると決定した。レカネマブは製薬大手のエーザイと米バイオジェンが共同で開発した。

原因物質に直接働きかけ取り除くための初めての薬で、厚労省の正式承認を経て、国内で製造・販売できるようになる。

エーザイは今年1月、厚労省にレカネマブの承認を申請。これを受けて厚労省の部会は薬の使用を認めるかどうかの審議を行った。米国では7月上旬に治療薬としてすでに承認されている。

アルツハイマー病は認知症の原因となる病気で、患者の脳にたまる異常なたんぱく質により神経細胞が壊れ、脳が委縮し働きが低下すると考えられている。レカネマブはこのたんぱく質を取り除く薬で、症状の進行を抑える効果が期待されている。

厚労省の2019年のデータによると、日本では認知症と診断された高齢者の67%をアルツハイマー病患者が占めている。同年時点で、国内の認知症患者は2020年に600万人規模と推計、団塊の世代が全員75歳以上になる25年には約700万人になると予測している。