午前十時の映画祭。

 

 

モンタナ州の美しい大自然に溶け込むブラッド・ピットのあどけない笑顔。

もうこれに尽きるといってもいい。

 

アメリカ文学とアメリカの雄大な自然を堪能できる作品でした。

大自然の澄んだ空気、川のせせらぎ、太陽の輝き、水面の煌めき、鳥のさえずり、そしてフィッシングを通して描かれる鱒の躍動感。すべてが調和してただただ美しい。

 

 

主人公である私の語りと、父の言葉が文学らしさを彩ります。

 

あの頃のモンタナは限りない神秘と可能性に満ちていた。

 

 

昔、私が若かった頃、父は言った。

「ノーマン、お前はものを書くことが好きらしい
それならいつの日か、家族のことを書きなさい」

 

 

 

清流と弟と父とフィッシング。時は川のように絶え間なく流れ過ぎゆくものだけど、兄ノーマンの記憶の中ではずっとあの頃のままかもしれない。

 

弟は芸術だった。

 

どこかあやうさも持ち合わせた弟ポール(ブラピ)の不完全さがたまらなく愛しかったことでしょう。

 

 

兄役のクレイグ・シェイファーも思慮深く弟想いの兄を好演。

自分とは似て非なる弟にいつのまにか魅せられていた。

 

はじめて観た俳優だったかも。

ちょっと北村一輝に似てるなと観ていました。

 

 

監督はロバート・レッドフォード。こんなにも美しい映画を撮影していたとは。ノーマンがポールを想起するように…ポールを演じるブラピに若き日の自分を投影していたかもしれないと、私は感じました。

 

 

 

実はここ1週間ほどインフルエンザで寝込んでいて鑑賞が遅れてしまったけど、上映中に映画館で観れて本当に良かった。しかも、先週だったら「ボーはおそれている」のチケットも購入していて勝手に2本立てにしようとしていたから、そうしなくて良かったなって。モンタナの大自然に身を委ね映画の余韻にひたることができたから。

 

 

話は変わるけど寝込んでた時期になぜか、芥川賞作品が読みたいなと思い立って3冊読了。(既読本含め)

いやはや、日本の文学は重くて暗い。特に芥川賞がそうかな。アメリカのそれと違うのは国民性の違い?

 

でもその暗さ嫌いじゃない。治りがけのボーっとした頭でね、私だっていつでも明るく元気にいられるわけじゃないし、このまま一緒に落ちていきそうだなって感じたんだ。

 

 

さてと、仕事も行かないとだし重い腰あげますか~チュー