上野の森 東京文化会館にて
ピアノの調べによいしれてきました
姉が一度聴いて魅了されてしまったという
谷昴登(たにあきと)さん。
※破格のチケットに驚いたのですが
東京音楽コンクール入賞者によるコンサートということで
文化庁から助成が出ているのだとか。
谷さんキリッと端整な顔立ちで
ちょっとだけ藤ヶ谷太輔に似ているんですよ。
左 谷昴登
右 藤ヶ谷太輔
2022年 3月
桐朋高校音楽科を首席で卒業。
ひと月前まで高校生の18歳。
将来有望な天才ピアニストです。
素人の私が拙い文章で
あれこれ語ることさえ憚れるのですが
力強くダイナミックでありながら
丁寧で繊細な演奏に鳥肌が立ちました。
谷さんの奏でる音色は
連なるパールのネックレスのように
ひとつひとつ輝きを放っているみたい。
曲目は挨拶にかえて
シューマン:幻想小曲集
Op.12 1. 「夕べに」 4. 「気まぐれ」
続いてシューマン:幻想曲
ハ長調 Op.17
そして圧巻だったのが
ストラヴィンスキー:『火の鳥』
アンコールで
ショパン:エチュード Op.10-8
東京文化会館 小ホールにて
(画像はお借りしました)
私があれこれ語れることはないのですが
本物に触れる喜びに満たされました。
9月からモスクワ音楽院に
留学が決まっていたそうですが
このご時世です。
どうなるのかわかりませんね。
今は桐朋学園大学の
ソリスト・ディプロマコースに籍を置いています。
モスクワ音楽院は
昨年ショパンコンクールで2位に輝いた
反田恭平さんも留学していましたね。
(桐朋高校音楽科も一緒)
谷さんはロシアの作曲家ラフマニノフが好きで
モスクワ音楽院で師事したい先生がいらっしゃるそう。
モスクワ音楽院。煌びやかなホールにうっとり。
ロシアは優れた芸術家たちを輩出しています。
今の情勢にただただ胸を痛めている方も多いことでしょう。
文学の世界ではツルゲーネフやドストエフスキー
そしてチェーホフ。
大音楽家チャイコフスキーを生み出した国であり
プーチンの国ではない。
平和な未来が訪れることを願うばかりです。
谷昴登さんのピアノからは
そんな悲痛な想いさえ込められている気がしました。