元バスガイドとしては見過ごせない事故が起きました。

バスガイド事故

 

現役バスガイドが3人いるグループLINEに

「痛ましい事故が起きました。みんなも十分気をつけて」

とメッセージを入れたら、現役ガイドから

「私たちもビックリしてます。どんな風に挟まったのか?でも、ストップかけても止まらない人もいるので…」

と。


バスガイドは案内だけが仕事ではありません

主なる仕事はパスの安全誘導員です

昔でいうと「車掌」です

ですから、案内や立ち振る舞いだけでなく、バック誘導なども必ず教習します。

基本は、

バスの左側面後方から1mほど離れた場所に立ち、自らの足元の安全を確保の上での誘導

です


昔はバックマイクがなかったので、笛または声の誘導でした。

バスガイドといえば

「オーライ オーライ」のイメージですよね

あと、笛も独特な吹き方をします。

ピピー ピピー ピピー ピピピピピ ピーーーィ!

とか

ピピッピピ ピピッピピ ピピッピピ


どんな吹き方をしてもいいんですが、最後は小刻みにして、長いピィーーーーィ!で終わるのが基本です


バスって意外と結構なスピードでバックしたりするので、バスガイドは小走りでバック誘導したりもします。

どの辺りから小刻みにするか、どのあたりでストップの長吹きするのか

新人バスガイドはドキドキしながらやってるんです。


また、声も始めは大きな声が出せなくて、小さすぎて怒られたり…


何度も何度も経験して、うまくジャストな位置で止められるようになります。


事故に遭われたバスガイドさんは39歳

かなりベテランですから、そこはよく分かっていたはず。

なのに、こんな痛ましい事故が起こってしまった


バックはバスのボディから1m離れた左脇後方でやるんですが、たまにストップが聞こえないのか、止まらない運転士さんがいて、バックマイクに顔を寄せて「ストッーーープ!!」と声をかけたりします。もしかして、今回も止まらないバスに対してガイドが近寄りすぎて、電柱に気づかず挟まれたのか?

もし、止まらなかったらバスの側面をバンバン叩くとドライバーさんに伝わると教習されましたので、もちろんそんな事もされてたでしょう。


ただ、側面を叩くときはバスに触れてるわけで、かなりな接近をしてます。そこに後ろに障害物がたまたまあったら、避けられなかったのかも…


ドライバーの69歳と言う高齢も気になるところですが、観光バスだけでなく、路線バス含めてバス運転士の成り手が少ないので、ベテランさんがいつまでも現役で乗務してるのかもしれないです。


バスガイドを擁護するわけでは無いですが、色んなところで「バック誘導の際は、車の真後ろに立ってはいけない。そんな基本的な確認ができてなかったのでは無いか?」などと書かれてますが、なんらかの原因があったと思いますが、バスガイドもプロの車掌です。

約一年をかけて教育され、何度もバック誘導も練習します。

私も数年間バスガイドをしてましたが、バスの真後ろに行くことはありませんでした。

きちんと教育されたガイドなら基本中の基本なのは分かっているはずです。

それでも、こんな事故が起こるんです。

歯車が合わなかった…

タイミングが悪かった…

ドライバーがなにか他のことに気を取られた時だったかもしれない。

「ストップ!」の言う声や、バスを叩く音を聞いた方もいらっしゃるようですから、バスガイドさんは最後まで危険な中で知らせようとされてたんでしょう。



亡くなられたバスガイドさんのご冥福をお祈りいたします。