中国華南モノ造り交流会:品質向上・生産力向上

中国華南モノ造り交流会:品質向上・生産力向上

中国華南モノ造り交流会という会を始めることにしました.
月1回くらいのペースで,モノ造りに関わっている方々,モノ造りからヒントを得たいと考えておられる方々と,意見交換・交流することが目的です.

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3月22日(金)深セン市福永・双渓威大酒店にて第六回中国華南モノ造り交流会を開催しました.今回も,問題意識の高い方々にご参加いただき大変内容の濃い交流が出来ました.

以下議事録です.

テーマ:
従業員の能力を高め,やる気を引き出し,生産のQCDを高める


  • 低コスト生産国生産から高消費国生産へ
    深セン市の最低賃金は2004年から9年間で,2.62倍となっている.このままの上昇率が続けば,2020年の最低賃金は,3,380元となる.
    一方野村総研の予測では,中国富裕層の年間可処分所得は2009年には,総額8.6兆元となっている.100兆円以上の市場がある.

  • 利益を出す為に
    利益を出す為には,
    • 労務費の上昇以上の生産性改善をする.

    • 高機能・高品質・高フレキシビリティを達成し,販売価格を上げる.

    のどちらか,又は両方をやれば良い.
    この為の活動としてQCC活動を提案する.

  • QCC活動による改善
    QCC活動には,以下のスタイルがある.

    • 問題解決型:問題点を見つけ,原因を究明することにより改善をする.従来からよく行われているQCC活動.

    • 課題達成型:現状打破,新規業務など,あるべき姿を目指して活動するQCC活動.

    • 顧客指向型:顧客に魅力的品質を提供する事を目的としたQCC活動.顧客が魅力を感じる製品・サービスを提供する為,あるべき姿を定義する所から始めるQCC活動

  • QCC活動による効果

    • 業績への貢献:不良低減,生産性改善などの活動テーマごとに達成目標を決めて活動するので,活動成果がすべて業績に貢献する.

    • 人財育成:活動を通して知識を実践活用するので,知識が能力となる.
      活動を通してチームワークが身に付く.
      活動を通して得られた達成感が,更なる改善意欲に結びつく.
      改善を通して得られる成長を,計画的OJTとして活用出来る.

    • ノウハウの蓄積:活動を通して得られた効果を,標準化,横展開する.
      活動成果を事例集として蓄積する.

  • QCC活動事例



$中国華南モノ造り交流会:品質向上・生産力向上-第六回中国華南モノ造り交流会



広東質量協会及び中国科学技術協会の主催により,第五回QCサークル成果発表会が,4月18日より20日まで,東莞市松山湖にて開催されます.毎年QCサークルが60チームほど参加し,それぞれの活動成果を発表します.若干日系企業のサークルも参加していますが,ほとんどが中国企業のサークルです.
ご興味がある方は,右のアイコンをクリックしてメールを送ってください.折り返し開催案内をさし上げます.$中国華南モノ造り交流会-Mail
第6回中国華南モノ造り交流会は,
従業員の「やる気」を引き出し,生産QCDを高める方法について考えます.

従業員の品質意識を高める,問題解決能力を高める,改善能力を高める,モチベーションを高める.そのために,何をすればよいか.
そしてそれを継続するためには,何をしなければならないのか,議論しましょう.

~今回の交流会テーマ~
従業員の能力を高め,やる気を引き出し,生産のQCDを高める.


従業員の品質意識を高める.問題解決能力を高める.改善能力を高める.
その能力を実践を通して育成する過程で,チームワークを高め,やる気を引き出す.

その結果,
生産効率が30%アップ.
2ヶ月間で約23万元/年のコストダウン.
などの実際の成果が生まれます.更にこの活動を通して育成された人財,社内に蓄積されるノウハウは,無限の価値を持ちます.


問題に気が付く.問題を解決出来る.問題を解決する習慣が出来る.この3ステップの進化により,継続的に改善が行われる方法について提案をし,参加者の皆さんと意見交流したいと思います.


  • 日時:2013年3月22日(金)
    受付:PM2:30~PM3:00
    交流会:PM3:00~PM5:00
    名刺交換,交流会(講演),質疑応答,記念写真撮影
    懇親会:PM5:30~PM7:30
    ※日本語講演となります

  • 開催場所: 深圳市宝安区深圳双渓威大酒店(深圳空港近く)
    ※懇親会場所は,当日ご案内させていただきます

  • 定員: 20名限定

  • 対象:製造業経営者または経営幹部

  • 準備物: 筆記用具とノート,十分なお名刺をご用意ください.

  • お申し込み締め切り: 3月21日(木)まで

  • 参加費用: A.交流会のみRMB:150
    B.交流会,懇親会両方参加RMB:350

  • 講師: 林徹彦

  • 主催:Drivenext Global Limited
    ★参加された皆様がご質問,ご意見が言いやすい交流の場にしていきます



お申し込み,お問い合わせは右側のアイコンをクリックしてください$中国華南モノ造り交流会-Mail
11月30日(金)深セン市福永・双渓威大酒店にて第四回中国華南モノ造り交流会を開催しました.今回も,問題意識の高い方々にご参加いただき大変内容の濃い交流が出来ました.

以下議事録です.

「見せかけの5S,儲かる5S」
  • 5Sの誤解
    • お客様が工場監査に来るから5Sをしっかりする様にハッパをかける.
    • 5S活動は草の根活動.
    • 職場をきれいにするために清掃係を雇う.
    • 5SよりTPSの方が価値が高い.
    • 清潔とは,従業員の身なりや人柄のこと.

    この様な考え方が,5Sの誤解です.

  • なぜ5Sがうまく行かないのか
    • 5Sの目的・目標がない.
    • 5Sの評価基準がない.
    • 経営幹部は5Sをやれと言うだけ.
    • 継続させる仕掛けがない.

  • 経営者のホンキ
    • 経営者の率先垂範.
    • 経営者の思いが組織に反映される.

  • 5Sの効果

  • 品質保証,生産改善の基本・5S
    • 整理
    • 整頓
    • 整理・整頓するのは物だけではない.
    • 清掃
    • 清潔
    • 4SのPDCAサイクル.
    • 躾で5Sのスパイラルアップ.



【意見交流・議論】
今回は最近「5Sの真髄! 易経が教える5Sの魅力と威力」を出版された,我が盟友・佐藤実氏にも参加いただき,大変内容の濃い交流となりました.私自身意見交換に夢中となり,ほとんど議事録が取れませんでした(笑)
覚えているモノだけ紹介します.

■5Sの指導をしていて,5Sとストライキ発生に相関がありそうだと気が付いた(佐藤氏)
  • 5Sをきちんと推進している組織では,ストライキが発生していない.5Sがきちんと出来ていない組織では,ストライキが発生している.
  • 5Sがきちんとしている組織では,コミュニケーションが活発であり,ストライキが起き難いと言う可能性がありそうです.佐藤さんの研究を是非別の機会にでも発表していただきたいと考えています.


■別の人が作業に困っていても,ただ見ているだけの作業員にどのように指導したら良いか?
  • 日本人と違って,中国人は各自の仕事の範囲と責任を明確にしたがる.(日本人が特殊だと考えた方が良い)そのため,前後の工程の仕事を手伝うことも,仕事のうちであることを明確に定義した方が良い.
  • 「他の人の仕事を手伝いなさい」と指示すること自体が,本人の意欲を阻害している可能性もある.他の人の作業を手伝った方が,自分のためになると言う動機付けをし,自ら手伝う意欲を上げる様に指導した方が良い.


林の感想:
今回も非常に内容のある議論が出来ました.
議論に夢中になり,議事録が取れなかったのが残念です(苦笑)
皆さんも5Sをしっかりやって「工場が最高のセールスマン」と言える工場をぜひ実現してください.
ご参加くださった皆様ありがとうございました.

御社は何のために5Sをやってますか?

目的を明確にしておかなければ,基準が出来ません.
目的と基準が無ければ,活動がぶれます.活動がぶれれば継続は出来ません.

その結果
「毎日号令をかけないと5Sが維持出来ない」
「中国人に5Sを教えるのは難しい」
と言う悩みになります.

5Sは,PQCDSEM(生産性,品質,コスト,納期,安全,環境,士気)を高め利益を上げることが目的です.

例えば5Sを徹底すれば,お客様を工場に連れて来さえすれば,受注確定,と言う状況を作ることができるのです.

倒産寸前だった大阪の枚岡合金は,5Sで業績を回復しました.
今では8,000人の人が工場見学(有料)に来て,その中から受注も得られるそうです.お金を払っていただいて,工場見学に来た人から注文がもらえる.
最高です.

営業マンが,毎日必死になって顧客訪問し頭を下げて注文をいただくのとは,雲泥の差です.


ところで,マクドナルドやKFCのテーブルの足は1本しかありません.
なぜだか分かりますか?
そんなことを話しながら参加者の方々と,5Sを社内に定着する方法を考えましょう.


□■ 第四回中国華南モノ造り交流会 ■□

テーマ:「見せかけの5S,儲かる5S」
日時:11月30日(金)15:00~17:00(14:30受付開始)
   交流会の後に懇親会をやります(17:30~19:30)
会場:深セン市宝安区福永 双渓城大酒店 
費用:交流会のみ参加:150元
   交流会,懇親会参加:350元


お申し込み,お問い合わせは右側のアイコンをクリックしてください$中国華南モノ造り交流会-Mail
第三回中国華南モノ造り交流会を東莞・長安にて開催しました.

以下議事録です.

林からのプレゼンテーションは,第二回とほぼ同じです.
こちらをご参照ください.→第二回中国華南モノ造り交流会:議事録

【意見交流・議論】
  • Nさん(上海)
    まとめて作業をした方が効率が良いという間違った常識を覆すことができない.まとめ造りが効率が悪い事を説明するために,まとめ造りと一個流しを2チームに分けて同じ作業をさせた.ストップウォッチを使って競争させたら,一個流しチームが勝ち,全員にまとめ造りの方が効率が悪い事を実感させることができた.

  • Bさん(東莞)
    二つの改善を社内でやっている.
    1. D改善
      現場系の経理が職務として行う.トップダウンで目標を与えて,工程設計の改善など比較的大きな範囲で改善を行う.
    2. C改善
      現場の課長・リーダが中心となりGr活動として行う.
      ボトムアップで活動テーマ,目標を決めて行う(QCC的活動)
      主に工程内の「ムダ・ムラ・ムリ」を排除する活動.


    気付きメモ:工程内で見つけた「ムダ・ムラ・ムリ」を改善提案の形で提出する.一件につき5元の報償.
    この気付きメモからGr改善活動のテーマを選び,改善をする.年末に発表会を実施している.実施効果によって報奨金を支給する.チーム単位で支給され,5,000元支給した事もある.

  • Nさん(深セン)
    3,4年前は.15,6人/1ラインで組み立て作業をしていた.(部品20数点)
    徐々に1ラインの人数を減らし,現在は2人/1ラインで組み立てをやっている.生産効率は3倍くらいになった.1人屋台方式にしないのは,2人の方が安定しているから.(相互のチェック作用が働く)また2人にすると,人が変わった時に容易にライン作業者を習熟させることができる.(相互に教え,教えられる関係が出来る)

    月に1回改善プロジェクト会議を実施している.毎回改善事例10軒くらいの発表がある.

    「私の間違い」「私の発見」制度:作業ミスを犯したら,私の間違いカードを書く.工程内で不良・異常を見つけたら,私の発見カードを書く.それぞれ10元の罰金,30元の報償が支給される.
    以前この方法を考えつき実施した時はうまく行かなかった.他人のミスを告発することになり,相互に遠慮があったと思われる.
    しかしローカル幹部が再度実施したらうまく行く様になった.管理職と作業員,作業員同士の信頼関係が出来たためうまく行く様になったと思われる.それまでは辛抱強く教育を実施した.

  • その他懇親会での議論
    日本人だけで,中国人をマネジメントする事は不可能.中国人が中国人をマネジメントする様にした方がうまく行く.そのためには,中国人幹部の育成が必要.

    経営者の利益を目的として企業経営をしても,一時的な成功はあっても事業を永続させる事は出来ない.事業を永続するためには,顧客に価値を提供し(顧客満足)従業員の満足を継続的に高める努力が必要.

    全ての活動は人のココロから始まる.人のココロを理解し,活用出来なければ企業経営は出来ない.


林の感想:
今回も非常に内容のある議論・交流が出来ました.
交流会では技術的な手法ばかりではなく,経営理念に踏み込む深い議論が出来ました.
ご参加くださった皆様,ありがとうございました.


第三回中国華南モノ造り交流会