カムルチー
お腹がパンパンに膨らんでいる為 何食ってんだろうと思ったが 実際は別の物が入っていた(詳しくは後程)
知人から譲り受けた物だが 知人の住む地域にある池に3年程前に突然現れ 池の生物(モツゴやツチガエルなど)をほぼ全て食い尽くされてしまったらしい
知人も池からカムルチーを釣りで取り除いてはいるものの 個体数が多い様で割と大きめサイズの物がバンバン釣れてしまう

元は戦前に食用として持ち込まれ 各地に放された物が定着し問題を起こしている
日本には3種類が持ち込まれたとされていて 私の地元である長野県にはカムルチーが 九州地方ではタイワンドジョウ(カムルチーに似ているが模様や大きさが異なる) 南の方ではコウタイが持ち込まれた
今でもアメ横で50cmくらいのカムルチーが5000円で売られている(高すぎぃ!)
つまり食える

個体数自体は年々減少している様で70オーバーの個体が珍しいまであるらしい
今回捌いていくカムルチーも頭の先から尻尾の先まで44cm程で聞いてる分には大きく感じるが これでもまだ小さい方で 知人に見せてもらったカムルチーは70手前の大物だった
繁殖方法はオスが水辺にある木の枝や葉を用いて巣を作りメスが卵を産むというスタイルを取る
アナバス科である為 巣を作り そこに産卵させる(用が済んだらメスはオスに追い払われる)
カムルチー(ライギョ)と言えば「刺身」が美味いと言う話を聞いた事があるが流石に寄生虫が怖いので試したいとは思わない

カムルチーの寄生虫について
カムルチーが保有する寄生虫で特に危険とされているのが「有棘顎口虫」である
通常の顎口虫に罹患した場合胃壁を食い破って腹腔部分から胎内の至る所へ移動し 最終的に臓器以外の部分に留まるのだが 有棘顎口虫は前者を上回る危険性を持つ
有棘顎口虫に罹患すると 臓器から血管へ移動するのだがその時に這った痕がミミズ腫れの様な状態になる
コレでもまだ症状としては軽い方で 移動先が眼球や脳に達してしまう事もあり こうなるともう手遅れである

外来生物法において バスやギルと並んで生態系への悪影響は凄まじい物の 個体数の減少や工事による生息域の現象に伴い 今現在でも生態系被害防止外来種(要注意外来生物)に指定されている
特定外来生物の指定では無い為 飼育したり販売したりするのは問題ないが力が強く 鋭い牙が生えている為 噛まれない様取り扱いには気をつける
また生命力も強い為 締めたと思って油断してると暴れだして思わぬ怪我をする恐れもある
カムルチーを捌くためのアレコレ
フィールドワーク用で買う物もあったのでそれと併せて DAISOで購入
酢の使い道はカムルチーを覆うヌルを取り除く為である
酢酸の作用で固まるのだ
固まったらキッチンペーパーで拭き取るだけでOK

腹がパンパンだった理由
この個体はメスだった様で卵がギッシリ詰まっていた
コレも食べてみるが火を通さないとヤバそう
まずはカムルチーの頭を落として 3枚下ろしにする
この為にDAISOで出刃包丁を買ってきたのだ
百均とは思えぬ斬れ味に感動しつつ おろしていく
おろせたら皮を引き 骨抜きで小骨を取り除く
因みにもう半身の方はボロ雑巾になってしまい 亀達の餌にしてしまった
ついでに骨抜き時にも身が取れて 少しボロボロに…💧‬
ちゃんと3枚におろしてみると身はムチムチしており 刺身して食べたくなってしまったが寄生虫が怖いのでやらない
泥臭い為 にんにくチューブで匂いを消し 塩コショウで濃いめに味付けをする
後は片栗粉をまぶして バターで炒める(足りなくてエクストラバージンオリーブオイルを追加)

もうお分かりですね?
そう ムニエルである
コレだけ苦労して捌いて キチンと味付けもしたんだから不味い訳が無い!

モグモグ…

お味の方はァ!?
「うんまぁい!👍🏻」
身はむっちりして食べ応えはあるしトドメに掛けた残りのバターやオリーブオイルが香りをプラスして最高👍
苦労して捌いてよかった!
懸念だった泥臭さも抜けててこれは文句なしに100点!
ぼろ雑巾になった身は亀達の餌にした
むし子がはよ寄越せと上ってきている💧‬

前日に作った物
シンプル且つ今後の調理法を模索する上で行なった揚げ
ニンニクもすり込んではあるが 油で揚げることで泥臭さを消す事が出来る

ドドン!
カムルチーのフライ
3枚おろしもまともに出来なかったせいでかなーり身が小さくなってしまったが それでも食えるだけマシ
揚げたことで泥臭さは消滅したが 味付けは塩コショウを僅かに振っただけなのでどの様な感じに仕上がっているのか

御上がりよ!
モグモグ…
こっこれはぁ!
お味の方はァ!?
「並」
身質は良い ただ脂がなく 身自体もすっっごい淡白で個性の欠けらも無い
そして懸念だった泥臭さは無かったもののニンニクの匂いまで消失していた
見た目のインパクトは大なのに身の方は何と言うか普通オブ普通である