「おはようございます 栞子さん またノート書いて来ました…」
「ひとりさんは施設外ですのでコレは1度お預かりしても宜しいですか?」
「はい でも今朝もしちゃったんですよ 自傷行為…」
「見せて下さい…大分思い切ってますね…何かあったらその場のスタッフに報告して下さい」
「はい…」

午前の休憩
「今物凄く悲しい気持ちなのに全然涙が出なくて…込み上げては来るけど結局スンって引っ込んでしまって…」
「それは確かに辛いねぇ…仕事は出来そう?」
「どうにか出来ると思う…もう疲れた 帰りたい…」

午後2時過ぎ…
「ひとりさん お願いします」
「あぁ この2つだけやったら!」
「失礼します…(ドンヨリ)」
「ひとりさん こちらへ座って下さい」
「まずは扉を閉めてと…」

席へ着くと彼女に対して一言
「何か面と向かってってのも久しぶりだね…って言う程久しくは無いか…💧‬」(少し緊張気味)
「…」
(やっちまったー!)
「ではまずはひとりさんからお願いします」
「はい まずは彼女さんに対するこれまでの非礼をお詫びしたいと思います」
「非礼とは?」
「コレまで彼女さんに対して言ったり聞いたり やってしまったこと全てです」
「だそうです 彼女さん」
「ただ今までの事を全部言ってたら余りに時間が掛かり過ぎるからいっしょくたんに纏めちゃうけど良いかな?」
「うん」
「コレまで変な事を言ったり聞いたり やったりしてゴメンなさい…」
「彼女さん 宜しいですか?」
「はい…」
「ひとりさんは他に言いたい事はありますか?」
「私の本心を話します」
「どうぞ」
「私の本心としては彼女さんとお付き合いがしたい…でもその前に嫉妬心が強い自分を克服し コレからも良い関係でいたい! その為には不甲斐ない自分を叩き直して 仕事にも彼女さんと同様に週5日徐々に来れる様にして トラウマを克服して嫉妬しない私になって 嫉妬心以外で今私が抱える課題の全てを乗り越えて1歩以上大人になって 当たって砕けろ!の精神で自分の弱点を克服します!」
「所で当たって砕けろとは?」
「あぁ失敗を恐れずにという意味で…」
「成程🤔彼女さんは何かありますか?」
「あっ栞子さんボールペン借してください」
「どうぞ」
「書いておけば忘れないから…」
「コレはある人に話した事なんだけど…」
「うん うん ケンカで板挟みにしちゃった時はゴメンなさい…ストーカー男の事も…色々大変だったね…すぐには…?」
「そのすぐには…とはどう言う意味です?」
「…不安で色々考えてしまって心が落ち着かないからと言う意味です」
「心が落ち着かないから すぐには答えを出せない…(嫌われた訳じゃないけど今後の自分の行動一つでまた余計なトラウマを植え付けかねないので注意しないと…)」
「ひとりさん 言いたい事はありますか?」
「お付き合いに関してトラウマがあるのはわかった でも私はソイツらの様に急なボディタッチや彼女さんが嫌がる様な事は絶対にしない!それだけは何があっても約束する!」
その後色々話した末 想定外の事も言われてまた収拾がつかなかったが 心の腫れぼったいは取り除かれた

交換日記を書いていた手前そのまま帰る訳にもいかずお見送り
「彼女さん 一応書いては来たけど…」
「うん」
「あぁあのさ…今日は本音を聞かせてくれてありがとうね」
「うん」
「聞けてよかったよ…」
「うん」
(ヤバい 会話が続かない…)「明日はお休みなんだよね」
「うん 家の用事でね」
「そうなんだね」
「バス来ないね…」
「いつもなら5分前くらいには来てるのにね」
「どうしたんだろうね」
「あっ来たよ」
「ホントだ じゃあまた月曜日にね!」

時間が少な過ぎてろくに話も出来なかった火曜日
このくらいの勢いで泣きたかったが泣く事が出来ず 仮に込み上げてきてもスンっと引っ込んでしまう為 悲しい筈なのに泣けないというジレンマが発生
勝手に高望みをして 彼女の事も考えてる様で何一つ考えていなかった自分が憎く 更に何も成長していない自分に対する怒り 泣きたいのに泣けない自分に嫌気が差し 自傷行為へ
その傷跡はハッキリ分かる程腕に深く刻まれた