日本の侵略的外来種ワースト100とは

外来生物法施行前の2003年時点で日本の生態系に悪影響を与える生物が組み込まれている

その種類は多岐に渡り 特定外来生物は勿論 要注意外来生物も含まれるが未判定外来生物も幾つかランクインしている

種類ごとに分けられていて ザックリと哺乳類 鳥類 爬虫類 両生類 魚類等に区分されている

ここでは1部を紹介


哺乳類

ノネコ
意外に思われる方も多いかも知れないが我々の身近に生息している猫も実は外来生物で 元々ねずみ駆除や愛玩目的での飼育が主だったが ねずみ駆除の為に野外に放たれた個体が繁殖 スズメなどの在来種を捕食したりとネズミ以外の物も食べてしまっていた
自治体によっては繁殖予防の為 去勢させられた状態で野外で暮らす個体も確認されているが 駆除が進まず 頭を抱える自治体もある

アライグマ
北アメリカ原産
アニメ「あらいぐまラスカル」ブームでペットとして日本にやってきた
可愛らしい見た目をしているが生後4ヶ月程で性質が変貌 人間に対して凶暴性を剥き出しにする
その為 飼いきれない 子供を怪我させられたという理由から各地で放され 大繁殖
雑食性である為 木の実は勿論 エビやカニ等の甲殻類 カブト虫などの昆虫類 動物の死骸等何でも食べる
また手先が器用で 5本指が人間の様に動かせる為 果実を持って食べる事も出来る
人家の屋根裏に侵入してフン尿害も齎す
食性に加えて 農作物被害 人的被害も深刻な為 2005年に特定外来生物に指定された
狩猟鳥獣だが 猟奇以外での駆除は禁止されているまた自治体によっては罠を貸し出してくれる事もある

爬虫類
カミツキガメ
北アメリカ原産
1960年代のペットブームで日本にやって来た大型の亀
夜行性で日中は葦や泥の中に潜んでいる
テレビではやたら凶暴な亀だと紹介されるが 本来はとても臆病な性質で 人間に捕獲された時等に驚いて噛み付こうとして来るだけなのだ
ただ噛み付く力は強く 画像の様なサイズの個体に噛まれたら血が出る程のケガをする事もある
また首を伸ばす速度が早く 一瞬で噛み付いて来て 首を戻す際の瞬発力で噛んだ指箇所を食いちぎる事もある
首は最大で甲羅の半分程にまで及ぶ為 尻尾を持つ様にしたい
生態系への悪影響に人的被害を鑑みて 2005年 特定外来生物に指定された
餌はアメリカザリガニ等の甲殻類を初め ミドリガメやイシガメ 果てはウシガエルまで食べてしまう

ミシシッピアカミミガメ(画像はむし子)
北アメリカ原産
ペットや祭りの景品として持ち込まれた
所謂ミドリガメ
カミツキガメ程大きくならないがそれでも30cm程になり 特に野外の個体は捕まると噛み付こうとしてくる為非常に危険
顎の力はドアに指をガツンと挟んだ時と同じ位で 血が出る程の怪我をすることもあり ちいさなお子さんは指を食いちぎられる事もある
外来生物法施行時には特定外来生物に指定する予定もあった様だが飼育人口が多い事を理由に長年議論されたが2023年に条件付き特定外来生物に指定された
条件付き特定外来生物とは?
分かりやすく言えば 飼育 譲渡 運搬等1部の行為は認められる形となっている
ここで注意したいのがやってはいけない事
例えば持って帰って飼育する行為は何ら問題は無いのだが 家族が「元いた場所に返して来い」と言ったから元いた場所にリリースは放流扱いとなる為やってはいけない(その場で観察してリリースするのはOK)
アメリカザリガニも同様でその場で魚釣りの餌として使用するのは良いが それを生きたまま別の場所で釣り餌にすると放流扱いとなり罰せられる可能性がある(持ち帰ってペットの餌にするのはOK)

ミドリガメ
生まれて数日かそこらの幼体
生まれた時はこの様に目立つ模様をしているが 小柄な事と縞模様で野外で探してみると意外と見付からない

両生類
ウシガエル(画像の個体はオス)
北アメリカ原産
戦後の食料危機の際に持ち込まれた大型のカエル
足の長さを含めると最大で40cmにも及ぶ巨大なカエルで 貪欲な性質で口に入る物は何でも食べてしまう
捕食対象はアメリカザリガニ等の甲殻類は勿論 スモールマウスバスやブルーギル カタツムリ等の軟体動物 亀などの爬虫類 同族を含む両生類 果てはカブト虫の様な堅い甲殻を持つ昆虫ですら捕食し 時として自分より大きなニホンマムシや雛鳥を捕食する事もある(それらを消化出来る消化能力もスゴイが)
また鳴き声による騒音公害も凄まじく 鳴き声の聞こえる範囲は約1kmにも及ぶとされる
繁殖力も凄まじく メスは1回の産卵で2000~4万個もの卵を産む
ちなみに捕獲されると全く動かなくなってしまうが死亡した訳では無く単に逃げる隙を伺っているに過ぎない為騙されない様に
こうした生態系への悪影響が懸念され 2005年に特定外来生物に指定されている

メスのウシガエル
判別方法は鼓膜を見るか 鳴囊を見る事
オスは目よりも鼓膜が大きい他 鳴囊も黄色味を帯びている
メスは鼓膜の大きさが目と同じで 鳴囊も白い

植物
アレチウリ
北アメリカ原産
ウリ科の多年草で 腐葉土がある様な場所に生い茂っている
河川敷等で毎年夏頃大量発生し その場所を覆い尽くす
こうなると在来種の植物が光合成が行えなくなるなどの悪影響が出てしまう他 競合なども発生する
また実に食用としての価値は無く トゲも鋭いため下手に触らない方が良い
こうした競合や人的被害が懸念され 特定外来生物に指定された
また長野県では県がこのアレチウリの防除を積極的に行なっている
この一見利用価値のなさそうな外来植物にも 入浴剤としての使い道があるにはある

オオキンケイギク
北アメリカ原産
戦後の土地の緑地化を目的に持ち込まれた
どんな荒地でも根を張り 花を咲かせる程の生命力を持つがそれが災いし 各地で大繁殖
ある県で河原に生えていたオオキンケイギクを全部抜いて 焼却したのだが 翌年には何事も無かったかの様に咲き誇っていた
この事から少しでも根を残すとそこから再生してしまう事が判明している
実際 投稿主も道端に生えていたオオキンケイギクを引っこ抜いて横にし放ったらかしたら枯れると思っていたが 枯れる所か新たに根を伸ばし横になった状態から形を変えて花を咲かせていた
在来種の植物との競合 生命力の強さ等が懸念され 特定外来生物に指定された

魚類
ブルーギル
北アメリカ原産
元は明仁親王がアイダホから日本に15匹持ち込まれたのが始まりである
この時は食用としての利用を目指したが断念
持ち込まれたブルーギルが放たれた一碧湖ではタナゴが消滅し ブルーギルばかりが釣れる地獄と化した
またバス釣りブームでバスの生き餌等として持ち込まれ 食われてたまるかと逃げた個体が各地で定着 繁殖してしまった
卵をオスが守る習性がある為 外敵は居ないが腹は減る様で目の前に釣り餌を落とすと食い付いてしまうおっちょこちょいな一面もある
ちなみに親が消えた卵に関しては水生動物の餌となる
食性は肉食性で主にラージマウスの卵 モツゴなどの小さな魚 トンボのヤゴなど何でも食べる
また悪食で周りに餌が無くなると今度は水草を食べ始め 水質汚染を引き起こす
生態系への悪影響 水質汚染 生命力の強さから特定外来生物に指定された

ラージマウスバス
バス釣りブームの火付け役で 各地の湖や池などに放流された経緯がある
名前の通り大きな口が特徴で 小魚やブルーギル 上陸したてのウシガエル等を丸呑みにする
貪欲な性質で 胃の中から大量の小魚が出てくる事も
最大で60cmにもなる
コチラもブルーギル同様 特定外来生物に指定された

スモールマウスバス
北アメリカ原産
コチラもラージマウスバス同様 バス釣りブームで日本にやって来た
ラージマウスとは異なり より冷たい水 流れのある場所を好む
口のサイズはラージマウスよりは小さいがそれでも充分大きな口で川に居るオイカワやモツゴ ウグイ 鮎などを捕食する
大きさもラージマウスよりも大きく 最大で80cmにもなる
コチラも特定外来生物に指定されている

甲殻類
アメリカザリガニ
北アメリカ原産
ウシガエルの餌として持ち込まれた
主な被害は在来種の捕食を初め 田んぼに侵入した場合は稲を食い荒らし 畦に穴を開け 水草を切断したりする
外来生物法施行時に特定外来生物に指定されるはずがアカミミガメ同様 ペット人口が多かった事から見送られていたが去る2023年に条件付き特定外来生物に指定された

今回はここまでにします

読んで頂きありがとうございます

それではまた次回