前日
「好きな人との初デートで自分の意見ばかり押付けてしまった...明日本人にキチンと意見があるか確認してみよう...」

翌日
「ねぇ 明日の件だけど何か意見というか変更して欲しい点があれば言って欲しいんだけど...自分の意見ばかり押し付けちゃったのはゴメン」
「大丈夫だよ!」
「何度も確認して悪いけど大丈夫なんだね?」
「うん あっでもバス代とか...」
「それなら...」
予定を決めた2人
他愛のない食の話をし
その後はアレルギーの話題へとシフトした
「私モモ食べたら 同級生に顔と首周りが赤いよって言われて 鏡見たら確かに顔と首周りが真っ赤になっててしかも蕁麻疹まで出ちゃったんだよねぇ」
(アレ?症状に既視感があるぞ...)
「でも全然痛くも痒くも無かったけど ただ事じゃないって事で病院に連れてかれたんだよ そしたら身体中蕁麻疹だらけで背中なんか物凄かったらしいよ!」
(これはもしかしくても)
「アナフィラキシーだね」

アナフィラキシーとは


一般的に毒針を持つ昆虫や毒蛇によって注入された毒素に対し1度目で人間は抗体を獲得するのだがそれが2度目以降になると 体内の抗体が毒素を分解する為過剰に反応をした結果 アレルギー反応を起こし 最初は顔が異常に赤くなるなどの症状から始まり蕁麻疹が全身に広がり 次第に症状が重くなり 最終的に痙攣や呼吸困難等を引き起こし最悪死に至る

アナフィラキシーを引き起こす可能性のある生物
毒蛇(写真はニホンマムシ)
噛まれた場合は走ってでも病院へ急いだ方が良い
そうすると入院期間も短く済む事が最近の研究で判明している
噛まれるとマムシの毒に対する抗体が体内で生成されるが コレが原因でアナフィラキシーを起こす事もある為 安易に近付いたり触ろうと思ってはいけない

スズメバチ(多分モンスズメバチの働き蜂で休憩中と思われる)
幼虫は肉を食べるが 成虫は固形物が食べられない為主に樹液や幼虫の吐き出す栄養素を糧としている(因みにその栄養素で一日に100km以上子育ての餌を探しに飛びまわる事もあるとか)
基本的にコチラから手を出さなければ何もしてこないがウッカリ巣のあるエリアに入り込んだ場合 種によるが 見張りの蜂が侵入者の目の前にやって来て 顎をカチカチ鳴らす
「この先に我々の巣があるから近付くな 立ち去るなら何もしない」という最後通告である
これに従って素直に立ち去ればそれ以上はスズメバチも何もしないが 従わずにズンズン進んでしまうと見張りの蜂から毒液を掛けられ 攻撃部隊が一斉にその侵入者目掛けて襲い掛かる
こうなるともう手遅れで 攻撃部隊からの集中攻撃により毒を大量に注がれる上 他の部隊からの攻撃の為に更に毒液をかけられるのだが その時狙うのが口の中や目である
毒液は口に入れば苦味と痺れに見舞われる上 目に入ったら最悪失明する事もある
一度に大量の蜂に襲われた場合はその場でアナフィラキシーを起こして死亡するケースもある
余談だがこう言った社会性を持つ昆虫の中には「積極的に働く者」「まあまあ働く者」「サボる者」でより分ける事が出来る
積極的2 まあまあ5 サボり3の割合で 例えば100匹アリを集めたとしても積極的に獲物に襲いかかる個体ととりあえず襲いかかって手伝う個体もいるがその内3割はサボって何もしない(その場にいたアリバイだけは残す アリだけに🐜)

尚 コレらの症状はアレルギー物質を体内に取り込むor触る事でも発生する場合があり 本当に軽い物は口周りの痒みで済むが 重篤な場合即座に痙攣や呼吸困難等の症状が出てしまう事もある

「その後点滴が全然終わらなくてさぁ 小さいのが終わったからよぉし帰れると思ったら次が来て それが終わって今度こそと思ったら 更に大きくなって...終わったの日が落ちてからだったよ...」
「まあ本当に重篤なアナフィラキシーになりかけたんだろう...」

「自分は食物アレルギーはないけど 蜂毒アレルギーがあるんだよ」
「それヤバくない?」
「うん ミツバチみたいな小さいヤツなら問題ないけど オオスズメバチみたいな如何にも強い毒を持つ奴に刺されたらガチで終わる」
「何で分かったの?」
「弟と山で遊んだ時に朽ち木の中にアシナガバチの巣があった様で怒った蜂が飛び出して来たから慌てて弟を安全な方へ引っ張って逃がしたけど左手の親指ら辺を刺された」
「えっ!?」
「そん時慌てて家に帰ったけど 顔が真っ赤になり蕁麻疹も出たりして 病院行き 診てもらったらアナフィラキシー1歩手前って言われた」
「ヤバっ」
「その時出された薬をその場で飲んだら 速攻で治まったから良かったけど 後一歩遅かったら...」

その後
「とりあえずOKは貰えたよ!変な所とか変な友人は居ないよね?」
「その辺は大丈夫だよ 変な所に連れてく気は全く無いし そんな危険人物は友人には居ないよ(いたら速攻縁を切る)誘われても絶対行かない」
「と言うかそういう事して人生棒に振るのだけは嫌だな こう言う時に浅く狭い付き合いで良かったなと思うよ」

「すっごい健全だね!」
「守るべき人なので当然です!」