毛虫とは我々の身近にも普通に生息している蛾の幼虫の一種で ほとんどの場合 終齢幼虫となった毛虫は毒こそなくなるが 中には終齢幼虫になっても尚毒針毛を維持する毛虫もおり その確たる例がドクガというシンプルな名前の蛾で 幼虫の時だけでなく 何と成虫にも毒針毛が着いているのだ(元から着いている訳ではなく 幼虫の時の脱皮柄に残った毒針毛を身体に着けている)
更に厄介なのは成虫が産んだ卵にも その毒針毛を付着させるという徹底ぶりも見られる

しかしここで紹介する毛虫は触れた相手の命を奪う可能性を秘めた恐ろしい毛虫達で その見た目のインパクトも絶大である

① ヤマンギ(イワサキカレハ)
沖縄県に生息する毛虫
毒針毛は何だかてっぺんと周りが禿げた人の頭の様な生え方をしている
特別狂暴な生物では無いが その毒針毛には大人でも泣き喚く程の激痛を伴うとされる
更に恐ろしいのは ヤマンギの毛は抜けやすいらしく 風に乗って 外に干してある衣類等に付着している事もある
また 刺され過ぎると アナフィラキシーショックを起こして死に至る場合もあり この事から現地では「ハブよりも恐ろしい生き物」として知られている

② サザンフランネルモス(プスキャタピラー)
主に北アメリカの寒い地方に生息している毛虫
特徴は何と言ってもそのインパクト抜群な剛毛だろう
この剛毛は様々なバリエーションがあり 画像の様な赤茶に黒茶の様な個体も居れば 派手な黄色のリーゼントの様なモフモフした個体など様々
一見可愛らしいので つい触りたくなってしまうかもしれないが 触れてしまうと骨折か鈍器で殴られたかの様な激痛が走ると言われている
更に毒性も凄まじく 場合によっては呼吸困難 言語障害等の重い症状を引き起こしたり 最悪心停止で死に至る事も
近年では 2021年に北アメリカで大量発生した事がニュースになっている

サザンフランネルモス(別ver.)
遠目に見ると何か綺麗な花の様にも見えるが 近くで見るとフサフサなのがよく分かる

成虫
コチラも剛毛に覆われ もふもふした見た目をしているため 非常に可愛らしい
尚 成虫に毒は無いので触っても問題は無い

③ サドルバックモス
北アメリカに生息している毛虫
毒針毛の代わりに 折れ易い毒針を持っており 触れてしまうと 痒みと腫れの症状に悩まされ さらに吐き気が数日続き 最悪の場合発疹が残る事もある

④ ベネズエラヤママユガ
主にベネズエラに生息している毛虫
全身を覆う毒針には満遍なく 猛毒が詰まっている
毒性はガラガラヘビの持つ出血毒と同じ成分で 触れてしまったら直ちに病院へ行く事が推奨されている
しかし悪い事に 毒針は非常に折れ易く 更に触れて折れてしまっても痛みを伴わない為 気付かずに刺されて訳も分からず死に至ると言うケースも報告されている
見付けたとしても絶対に触ってはいけない

⑤ シナバーモス
この蛾は最初ヨーロッパと西・中央アジアだけに分布していたが 毒のあるオグルマという植物を駆除するために アメリカやニュージーランドへ導入された
毒のある葉を食べて育つので成体になっても毒を保有し ほぼ外敵がいない
だが幼虫の時は共食いをする
刺された場合 軽~中程度の症状で済むことが多いが まれにぜんそく発作や致命的な腎不全を起こすことがある
また軟骨に慢性的な関節炎をもたらすケースも報告されている

⑥ バグシェルターモス
オーストラリアに生息し 行列毛虫という呼び名でも知られている
これは新しい餌場を求めて数百匹に及ぶ行列を形成し移動するためだ 
成虫にも毒があり 触るとじんましんを起こすことがある
また馬がこの毛虫に触れた場合 羊水炎が引き起こされ 流産するケースが報告されている

⑦ バックモス
アメリカの南東部から北東部にかけて生息する蛾の幼虫
カシの木に付きやすく それが多く植えられているキャンプ場での被害が多い
刺されると患部にかゆみと焼けるような感覚に加え 吐き気をともなうことがある
死亡例こそ無いが この毛虫の毒で生死に関わるアナフィラキシーショックを起こした人がいる

⑧ スティンギングローズモス
サドルバックモスと似ており こちらも生息地がアメリカである
リンゴやハナミズキ ヒッコリー メイプルなどの葉を食す
サドルバックと同じように強い痛みと腫れを起こし 体中にじんましんを発生させることもある

今回はここまでにします

読んでいただきありがとうございます

それではまた次回