実家に帰ってきた。


ただいまー、明歩。
おかーさんたいいんしたよー。


明歩、私の顔を見てニコニコしてくれたぁ



さて、

母は昨夜眠れただろうか?

ピーコが我が家に来てからずーーっと一緒に寝起きを共にしていたから。





   ピーコのはなし


 ピーコは20年生きた。
  誰よりも長生きした。


サスケが我が家の一員になった翌年の冬、母が会社から連れて帰ってきた。

会社のとなりの空き地?に沢山赤ちゃんネコが産まれたと。

そのなかの一匹。

事務所に来てはずっと膝の上に座ってるんだと。

名前は母がつけた。

ピーピー泣くからピーコ。
(それは、鳥じゃないか??)


寝ても覚めても母と一緒。

かわいいかわいい女の子。


外に出ないように気を付けていたある日のこと。

うっかり出てしまった!!

待っても待っても帰ってこない。

そんな遠くへは行かないはず。

どこかのネコに追いかけられて逃げて行ったのか?


母は自身を責めた。

連れて帰ってこなければ、今頃寒くても他の兄弟達と一緒にいられたのに、私は罪な事をしてしまった、と。



何日経っても帰ってこない。


チラシを作ろう。近くのスーパーに貼らせてもらおう。


子ネコさがしてます!!


書いてる途中で、ガタンッ!!

ネコの通り道の音がきこえ、黒い物体が目の前に、、、。




ピーちゃん!!




すごい、すごい、帰ってきた!!

よかった。これ以上の喜びが他にあっただろうか?というくらい喜んだ。


汚れて痩せて帰ってきたピーコ。


その後、何度か失踪事件があったけど、その度に無事に帰ってきた。


一番過保護に育てられたね。女の子だもんね。

母がお風呂からあがると二階から降りてきて一緒に寝る準備を始めるピーちゃん。

朝も母が布団から出ると一緒に起きるピーちゃん。


明歩が産まれてからまともに抱っこしてあげられなかったね。

赤ちゃんいるから、ダメよ!って。

ここ最近は実家に行っても寝てると思って気にもとめてあげなかったね。


ごめんね、ピーちゃん。


大好きなお母さんは明歩のお世話で忙しくしてたからピーちゃん遠慮しちゃったね。

お母さんに存分甘える事できなかったね。

ねーちゃんが入院しなければ、最期までお母さんのお膝に座っていられたのにね。


ごめんね、ピーちゃん。


最期の大切な時間をねーちゃんが奪ってしまったね。



ごめんね、ピーちゃん。

ごめんね、お母さん。




私が入院しなければ、もっと違ったのかもしれない。





悔やんでも悔やみきれない。