こんなこと言うと言葉に語弊があるかもしれませんが、
あくまで私が感じたこと、思ったことです。
私の仕事は塗装業、
父親が作った会社を継いで二年になります。
会社は今年で創業45年、
もうすぐ半世紀です。
職人上がりの父親の信条は下地処理!
どんなにいい上塗り塗料を塗っても、
下地処理がきれいにできていなければ何塗ってもダメ、
女性の化粧と同じですね。
どんなに良い化粧品でも下地がしっかりできていなければ仕上がり悪いはず。
化粧品は下から上まで、下地から手を抜くことはまずないでしょう。
しかし!!
塗装の世界では上塗りだけが注目され、下地調整がないがしろ。
こだわってる会社もいますがほとんどメーカーが推奨するものばかり。
そこに職人の技、技術の追求が反映されていません。
相見積もりなどで必ず言われる、
『この下地調整ってなんですか?他社の見積もりにはこんな項目ないんだけど?』
事細かく説明を行います。
そして納得していただけます。
お客様、
『他社はなんで項目がないの?ただ塗るだけで大丈夫じゃないの?』
上塗りの効果、効能のアピールはどの会社もすばらしい!
しかし、根本の下地調整のことになるとあやふやなことが多い。
お客様、
『塗装って剥がれるんでしょ?』
私、
『下地処理がきちんとできていれば、上塗りはさめても剥がれることはないですよ』
お客様、
『そうなの?塗装って剥がれるもんじゃないの?』
剥がれませんよ。。。
2007年まで中国に住んで塗装の仕事をしていた自分の見方、
上辺だけはキレイ、下地処理はめちゃくちゃ、
これが私の中国建築事情と思っています。
日本式の下地処理を中国を実践しようとしたとき、
中国人から笑われました。
なんと無駄なことを日本人はするのか!
私は下地処理をきちんと行って上塗りを塗装するのが当たり前と思っていたのに、
どうやら大陸は勝手が違ったようです。
緻密で、些細なことに気を使う日本の建築、
ここに戦後の日本の発展がみえたような気がします。
それが今では日本も見栄えが重要視され、
下地処理がないがしろにされる状態、
拝金主義の流れに乗って日本の伝統文化、
几帳面さが薄れてきています。
売るためだけに走るメーカー、
日本の法律、PL法などを掻い潜り上手に立ち回る現状、
こだわりは金儲け、
安くすることが素晴らしい!
結論は、いいものを安くするということはどこか手を抜いていくしかない!
エンドユーザーはそれを知らずに値引きを行い施工をし、
数年後には不具合が生まれる。
見た目は大切です!
しかしそこまでの過程はもっと大切です!
物事の本質を見失わないように、
日本の素晴らしい文化を守り継承していくために、
もっと勉強、経験を積んで精進することも我々には求められます。