こんにちは。
歌のコーチ、金丸悠子です。
ご覧くださいましてありがとうございます。
わたしの好きな曲や、格好よいと感じる曲は、
特にジャンルなど定まっておらず、我ながら幅が広いと思います。
琴線に触れるポイントはそれぞれの曲で異なりまして、
と、いいますのも、久し振りに聴いた「九九のうた」で
また痺れちゃったのです。
以前、どこかのブログでも「九九のうた」の素晴らしさについて
お話したことがあるかもしれません。
そのためタイトルに again をつけました。
「九九のうた」はすごくクールで、たくさんの音楽的工夫も感じますし、
五の段、六の段と曲が進むにつれ、
ひょっとしてライブを意識したアレンジなのではないか?と
思わざるを得ない仕掛けがいっぱいです。
わたしが、この名曲から感じ取っている画を、
みなさまにご案内いたしますね。
(論理的にあってるあってないとは別)
まず、近代の曲はおおよそ、AメロBメロサビ、またAメロ……のような構成で作られているのに対し、「九九のうた」のdopeなところは、全部メロディーが違うんです。
めっちゃ贅沢です。歌うの大変です。
しかしこの曲で多くの人が九九を覚えている。面白いですね!
では、順を追っていきます。
イントロは、Eテレがまだ 教育テレビ だったころの、
画面が4:3だったころの「高1化学」のオープニングみたいな雰囲気。
デンデロした連符からのダダダダダ!のキメ。
このキメが次の段に行くブリッジになります。
一の段はあいさつ程度に始まります。
どあたまのフレーズはコードのルート音に対して、3度の音。
二の段はルートの音に対して6度から始まりますので、
一の段よりちょっと盛り上がってる感じ、伝わってます。
バンドが全員ブレイクしての 2×9=18 の解決。
ジャズクラブだったら、ここで客席から「イエー」と声が上がるところです。
続いて三の段。
「ンパ!ンパ!ンパパ!」で入ってるハンドクラップを聴いておいてください。
三の段、音楽で「3」といえば3拍子。
3×7=21 と 3×8=24 のとこだけ、3拍子になってませんか?
(リズムを追うと 4拍+2拍×2小節 にも聞こえますが)
ここ狙ってますよね……。
歌詞を聞こえやすくする目的と、なんてったって三の段ですから。
続いて四の段。
なんでしょう、この安定感。
先ほどは「ンパ!ンパ!ンパパ!」だったハンドクラップが
四の段では、2、4拍目に入り、それだけで随分サウンドが落ち着くものです。
三と五の段に挟まれて、ちょっと休憩な感じでしょうか。構成、気が利きますな~。
さて五の段。
気を付けてください!
上から降ってくるような 5×1=5 から、間髪入れずに
5×2=10
5×3=15
5×4=20 までノーブレスで、メロディーが続きます。
トリッキーにも聴こえますが、しかしぜんぶここは4拍子。
5×7=35、5×8=40 の美しい流れのあとの、
5×9=45 のメジャー → マイナーのコードチェンジがしみる~。
ほっとしますね。
ここまでで、前半が終わりました。
六の段から空気が変わります。
六の段の前のブリッジ部分、もしライブならばボーカルが
「わたしたちと一緒に歌って~!」と客席を扇動するところ、ですかね。
六の段のベース聴いて~!
こういう純粋な4つ打ちで、フロントマンを乗せてくれるベース。最高です。
わたしがボーカルだったら、間違いなくニヤニヤが顔に出てるだろうな。
さて、音楽の方はというと、このあたりから掛け算が難しくなってくるので、
客席の皆さんにも、しっかりと復唱してもらおうという気持ちが湧いてきます。
6×1=6 のあとに、ボーカルのない4拍があるのは
きっと、ここで復唱するための親切設計によるもの。ありがたいですね!
その親切は七の段も続きます。
ボーカルが抜けた後の、ファンファンシンセの音が厚くなり、
ステージも客席も、だいぶ熱くなって参りました。
みんな、そろそろ席から立ちあがりたいんじゃない??
立って、揺れて、踊って、歌っていいんですよ。
八の段は、そろそろ迎えるエンディングを匂わすような
優しいハーモニーで始まります。
映画でも小説でも、そろそろまとまるんだな、ってわかる瞬間ありますよね。
この曲でいうと、それは 8×1=8 のところ。
感覚の鋭い皆さんは、終わりが近づいていることを感じ、
こころが少し緩まると思うんです。
会社を辞めることを知ったとたん、その人と仲良くなる、みたいなアレです。(違)
そして、8×5=40 から、半音で下がる和音の美したるや。
おや、なんだか、夕焼けが色づいていく様子が見える気がします。
ん? 夕焼けのなかを、セーラー服の女子高校生が2人、
自転車を押しながら黙って歩いているのも見えますね……。
A子「きれいだね……」
8×7=56
B子「……さっき、大学落ちればいいなんて言って……ごめんね」
8×8=64
A子「いや、わたしも煽っちゃって、ごめん」
8×9=72
B子「(安心して)コンビニよって帰ろうか、ね?」
と、聞こえます。
そして、客席が総立ちで迎える九の段。
客電100%、ステージと客席の境がないような、自由で平和な空間です。
その場でジャンプしながら、くるくると回転し、
頭上で手を叩いてるファンの方。
腕組みしながら、リズムをとるおじさんの姿も見えます。
ライブでは、 9×9=81 のところ、
はちじゅーーーーーーーーーーで、ためて、ためて、ためて、
音がなくなって……
はちじゅーーーーーーーーー、、、
ボーカル「みんなもいっしょに歌って! せーの」
全員「はちじゅーーーーーーーーーーーーーー」
ドラムのカウント1.2.3.4で「いち」!で、
エンディングに向かう演出に違いありません。
そして、イントロと同じデンデロ連符は、この旅がそろそろ着地する合図。
最後はツアーグッズとしても販売されているホイッスルを、
全員で思いっきり吹いておしまい!
「九九のうた」元気が出ますね。音楽って素晴らしいな。
レッスンでもこんな感じで(?)音楽と触れ合っています。
ご興味のある方はぜひお問合せくださいませ。