1994年のクリスマスイブ

当時の主人は飲食店を経営していたので

私は
5ヵ月の子供と2人きりで寂しく過ごしていました

すると

ピンポーン❗️

と玄関のチャイムが鳴りました

親友のSちゃんと、Sちゃんの彼氏でした

私が寂しくイブを過ごしているのを心配して、二人で来てくれたのです


『あとね、報告があるねん』

はにかんだ彼女の左手の薬指がキラリと光りました
6月に、結婚が決まったとのことでした

『ええっ!よかったね、おめでとう!』

まさか
あの時が

Sちゃんとの最後の別れになるなんて


一体誰が想像出来たでしょうか


それからわずか3週間後の

あの

未曾有の阪神大震災により

Sちゃんは

まだ10代だった妹さんと一緒に

亡くなってしまいました


私は

親友の訃報を

NHKの夜のニュースの画面で知るという経験をしたのです


ウソだ

何かの間違いだ


こないだ会ったばっかりやん


次の1月22日の土曜日は

子供をSちゃんのお母さんに預けて

久しぶりに新神戸の King&Queenに行くって
約束してたやん





時代はバブルの絶頂期


私とSちゃんは


1ヶ月に1、2度は週末になると三宮や梅田のマハラジャに通っていました

工藤静香にそっくりだった彼女は
とてもよく目立ちました


新神戸に

その頃の最新スポット、
King & Queen
がオープンすると


もっぱらそこばかり通っていました


そのうち

私が結婚して

ディスコ通いも卒業しました

赤ちゃんが産まれて

先天性の病気があったので
そのまま入院している時も

よくお母さんとお見舞いに来てくれました

看護師(当時は看護婦)さんに、

『姉妹❓️よく似てるね』

と言われたこともありました


あまり恵まれない家庭で育ったSちゃん


そんなSちゃんが

結婚が決まり

夢と希望に溢れていた矢先でした


神様は

余りにも残酷な運命を彼女に与えたのです



でも

きっと彼女は今でも

残されたお母さんや私や私の子供のことを

見守ってくれています


私は辛いことがあっても

Sちゃんのことを思い出して

Sちゃんの分まで

一生懸命生きようと思っています


Sちゃんは

私の中で

いつも幸せそうな笑顔で

永遠に美しい25歳なのです