花村萬月さんのエッセイ集<犬でわるいか> (講談社文庫、


2009年)を読んでいたら、‘旅先のホテルの部屋でお弁当を


食べる’というような記述がありました。


犬でわるいか<萬月夜話其の二> (講談社文庫)/花村 萬月
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その記述は、京都に旅行したときの体験を描いた、


<レストランよねむら>という章の中にありました。


少し引用してみます。


 ”それはともかく京都では、よく食べた!さすがに以前の


  ように毎晩凝ったコース料理に類するものを食べ続ける


  気力も体力もないけれど、御馳走を食べた翌日の


  夜御飯はコンビニ弁当か、デパートの地下で買いこんだ


  惣菜ですまして胃の調整をして、けっこう積極的に食を


  楽しみました。御馳走もいいけれど、旅先のホテルで、


  地元の放送局のテレビ番組を見るともなしに眺めながら


  しんみり食べる弁当も美味しいんだよね。旅先での


  滞在が長くなると誰でもこういうことをするのだろう


  けど、こんなときの程よい孤独感やしみじみとした


  気配までもが好ましいのが旅先です。・・・”


私も、以前、広島に住んでいた時は、たまに用事があって、


東京や、熱海に行って、ホテルに泊まることもありました。


家族と泊まる時は、外で食事しますが、一人で


泊まった時は、駅弁かサンドイッチを買って、ホテルの


部屋で簡単に夕食をすませることもありました。


何だかなつかしい思い出です。一人で、ホテルの


部屋で、食事をすませると、あっという間に食事が


終わってしまい、少し物足りない気分で、


食後に、文庫本や雑誌を読みながら、甘いものを


食べたり、コーヒーを飲んだりするのが、楽しみでした。


そして、なぜか、真剣に見るわけではありませんが、


TVは小さい音で、BGMのような感じでつけていました。


少しさびしいけれど、ホテルの部屋で、一人で過ごす時間


というのは、ゆったりした、贅沢なものでした。


三月末に東京に転居してからは、ホテルに泊まることも


ないので、ホテルで過ごす時間の記憶が薄らいで


きている気がします。当分、旅行する予定はありませんが、


そのうち、何年後かには、一人で、どこかに旅行して、


ホテルに泊まってみるのもいいかなと思ったりも


しています。