20代前半のとき、
付き合っていた年上の彼は、
いつもユーミンを聞いていた。
なんとなく古臭くて、
あまり好きになれなかったけど、
聞いているうちに、共感できる歌詞に、
いつしか心を奪われていた。
時が流れ、
トキドキ、ラジオから流れるユーミンに、
懐かしいなって、思ったけど、
それ以上に、
特別な感情を覚えることはなかった。
でも、この前
たまたま聞いたラジオに、
無意識に耳を傾けていると、
ユーミンのWANDERERSが、聞こえた。
涙が止まらなかった。
好きだったかれとの思い出。
当時のことがよみがえって、
宝物のように感じた。
急に会えなくなった彼。
好きだと伝えられなかったけど、
お互いに他の相手がいたけど。
人目を偲んで、キスしたこと。
何で、「好き」って、言えなかったんだろう。
バイクの後ろに乗せてもらったとき、
はっきりとわかった「好き」っていう思い。
すべてがまぼろし様に思える。
好きよ。
ヘルメットぶつけ、
腰にしがみついたあのぬくもり
君に会えなく、なるなんて
君に会えなく、なるなんて