尾行調査一回目。
この日で結果が出ると思っていた私は朝からそわそわ。
仕事にも集中できず‥。
探偵に依頼してから興奮するとずっと手が震えていたし手が痺れたり‥夜も眠れなくて飲めないお酒を飲んで毎日眠った。
身体を動かす仕事をしている私にとってワンオペ育児家事をして、体力もメンタルも限界を迎えていた。
いつも帰宅が22時〜25時くらいだったので
少し早めて20時頃にスタートしてもらった。
一回の尾行時間がパックによって決まっているのでフル活用するためにかなり早めの時間からスタンバイしてもらった。
スイカの履歴もたまに早く帰宅していると思われたので20時くらいでちょうどいいと思った。
探偵は必ず二人一組。
従業員の出入り口と会社の出入り口、
どちらから出てきてもいいように挟み撃ちする、など色々作戦も考えてくださった。
ドキドキそわそわしながらキクチさんからの連絡を待つ。
尾行開始する際に電話します、との、ことでした。
思ったより早くキクチさんから電話があった。
すぐさま電話にでると‥
「ご主人が見つかりません。」
え?!?!
今日は出勤って言っていたはず。
そんなに早く帰るはずもないので
休憩に行っているか、お客様対応しているか?
元夫は商業施設の中の店舗で販売の仕事をしていたので、お客さんのふりをしてチェックできる環境だったのです。
「今日は諦めましょうか。」
とキクチさんが言った。
すかさず
「あと一時間待ってください。」
焦っていた私はそう伝えた。
「残りの尾行時間は次の時に繰り越せますから焦らないで」
と言われた。
それでもどうしてもあと一時間!と懇願した。
「やはりご主人いません、どうしますか?」
と一時間後に連絡があった。
「スイカの履歴があった駅まで行って見張ってください!!」
そう焦る私にキクチさんは
「わかりました。」と。
きっとお客さんの家へ行ってクレーム対応とか、店長につかまっていると思っていた。
終電までに必ず駅に現れると思うのでスイカの履歴があった駅に移動してもらった。
「終電がおわりました、駅のシャッターもしまってしまいました。調査を終了していいですか?」
と連絡がきた。
実は探偵に依頼する前、4歳の息子が寝ている間に二度くらい家をこっそり抜けだし履歴のある駅で見張ったことがある。
終電の一時間半くらい前からシャッターが降りるまで‥。
息子が起きてしまったらどうしよう‥
帰って泣いていたらどうしよう‥
高層階に住んでいたので怪我をしたらどうしよう‥
電車が到着するたびに手に汗を握りながらそんなことを考えていた。
今思い返すとゾッとするし、母親失格だと思う。
私が張っていた二回は不発で、
息子も起きることなく眠っていた。
この件もあって、探偵に依頼しなければ‥と思った理由のひとつだ。自分一人では限界があると思った。
そんな経験もあったので
「シャッターもしまってしまいました‥」
この言葉がずっしり響いた。
その喪失感を私も目の前で経験していたから‥。
「一回目のパックを使ってしまった‥
最初からこんなんで二回目と三回目で本当に結果はでるのだろうか‥」
一回目で結果が出ると思っていた私は喪失感しかなかった。
「焦らないでください。必ず結果はでますから」
またキクチさんに言われた。
「少し作戦を変えましょう、もしかしたらご主人はもっと早く帰宅しているのかもしれませんよ?」
二回目の尾行スタート時間を17時にして、出勤しているであろう日程を決めた。