IPMNの手術をして良かったのか? | ☆★膵管内乳頭粘液性腫瘍(IPMN)手術の記録日記★☆

☆★膵管内乳頭粘液性腫瘍(IPMN)手術の記録日記★☆

埼玉在住40代嵐ファンの主婦です。2020年1月に膵頭十二指腸切除手術をしました。この病気が見つかってから手術をするまで、そしてその後の生活の記録ブログです。

今日は手術後の経過日記ではなく。
手術が決まるまでのいろいろな気持ちについて書こうと思います。

IPMN、この病気になって。
たくさんの葛藤がありました。

そもそもなんの自覚症状もない状態で人間ドックで見つかったこの病気。

主膵管拡張?
膵臓の管が太くなってる??
膵臓に腫瘍?

もうこの時点でガンだと思って
『私、死ぬのかな?』って思いましたから。
だって膵臓がん=死ってイメージ強いですよね?
『君の膵臓を食べたい』とか『白い巨塔』の影響?

パパと2人で覚悟して結果を聞きに行ったこと。
泣きそうでしたもん。
待っている間、心臓が張り裂けそうでした。

最初に受診した段階で
今後の人生を考えたらまだ若いから手術で摘出した方がいいとの説明を受けました。
そのくらいの大きさになっていると。
これが2018年2月。

この時は悪い所を取れば治るくらいにしか思っていなかった私。

次に受診した東京の大学病院。
手術すべき大きさだからといってこの病院ではすぐ手術しましょうとはならないんです。とりあえず経過観察で様子を見ましょう。

このまま経過観察でずーーーっと生きていけないかな?
わざわざ手術する必要ってあるのかな?
ガンになる可能性あるけど、ガンにならない可能性もあるんでしょ?

ただ今度はこのまま経過観察をし続けて、いつかガンになり、その時点で手術をしたら手遅れになるんじゃないか…って。
ずっと経過観察をしているうちにまた違う不安が押し寄せたんです。


もうひとつの東京の大学病院では
腫瘍も大きくなっているし、年齢も若いからやはりすぐ手術した方がいいですとの診断でした。

ここで初めて手術についての詳しい説明を聞いたのですが…そこで愕然としました。
膵臓を全摘出になった場合、朝昼晩とインシュリン注射打たないと生きられない。


今後の人生があと40年として。
その40年ずっと注射を打って生活していかなければ生きられないの??
お金もかかりますよね。
そして何よりも。
朝昼晩と注射を打つってことはいつも持ち歩かなければならないってことでしょ?
血糖のコントロールもしなければならないし。
私にできる??
こんなズボラな性格なのに?
注射忘れて寝ちゃったりさ。
低血糖になって倒れたりとかさ。
有り得るよなぁ。


もう。
このまま手術も何もせず寿命を全うすればいいかな。
経過観察を続けて、ガンになってから手術したら遅いのかな?
こんなに毎日悩んで暮らすくらいなら人間ドックで見つからない方が良かったかもしれないな。
病気を知らないで生きていた方が幸せだったのかもしれないな。

そんなことを頭の中でグルグルと考える日々が続きました。



痛いとか辛いとか今すぐこの状況から救い出して欲しいとか。
そんな状況だとしたら、もちろん迷わず手術を受ける決断をしますよね。

ただ、幸い?なことに無自覚無症状。
薬もない。
食事やお酒や運動の制限もない。

こんな100パーセント健康体の人間に
あなたの膵臓にガンの予備軍があります。
なんて言われても。

青天の霹靂ですよ。
信じられませんって。

手術をしてもらいたいと思える医師に出逢えたのが今の病院。
自分で調べてここで手術してもらえたらなぁと夫婦でセカンドオピニオンを受けに行きました。
とても親身になって詳しく説明をしてくださいました。
遠方の病院へ通うのはお金も時間もかかります。
でも、私の今後の人生がかかっている手術はやっぱりこの先生にお願いしたい!!
そう思ったんです。

この手術を決断するまでにたくさん時間がかかりました。だって取れば終わりじゃないんだもん。
しかも、大手術だから万が一ってこともあるかもしれない。
少なくとも今の状態よりも身体にダメージを受けることは確実。

膵臓がどのくらい残せるのか?
それも手術をしてみて腫瘍を検査しないとわからない。
残せても5センチ未満と先生から説明を受けていました。
残った膵臓の働きが悪ければ注射人生。
もし、運良く少しでも残った膵臓が働いてくれれば薬の生活。

ただ、その残った膵臓がいつまでも元気とは限らない。その膵臓にまた腫瘍ができる可能性もあるのだとか。


膵頭十二指腸切除術。

私の場合、主膵管が拡張していてさらに分岐している先に腫瘍がある混合型。膵臓の頭部にそれが位置している。
おまけに膵石が2つ。
この術式ではないと手術はできない。
ご存知の通り膵臓だけでなく、胆管、胆嚢、十二指腸、胃を切るわけですから簡単な手術ではありません。
『場合によって膵全摘』
このことを理解した上での手術なのです。


同じIPMNで経過観察をしている皆さん。
どう決断されますか?
とにかく経過観察で大きくなるまで様子を見る?
手術した方が良いと言われたら?

今の医療は発達しすぎて
早期発見早期治療で寿命も延びているけれど。
知らない方がよかったってことも
もしかしたらこの世の中にはあるのかなぁなんて。
…こんなことを言ったらバチが当たるかもしれないけど。


人間ドックで見つかって早く手術できて命が助かって良かった。
そう思うしかない!!
手術前に私は自分自身にそう言い聞かせていました。


もし、腹部エコーをしなければ。
今も知らないで過ごしていたと思います。
もちろんガンにならない人生かもしれない。
でも、知らないうちに膵臓ガンになってしまって気付いた時には手遅れっていう事態になるかもしれない。

まだ子供が大学生です。
学校を卒業するまでは親は責任があると思っています。あと2年。
しっかりと子供を守ってあげないと。
助けてあげないと。

3月に卒業する娘だって。
4月から就職で先日地方に配属が決まり、ひとり暮らしすることになりました。
知らない土地で1人でやっていけるのかな?
まずは住むところ探さないと。
心配だけど親元から巣立つ時がやってきたんだなぁ。
もうそんな年月が経ったんだなぁ〜と病室にいると、さみしさで思わず涙がこぼれてしまいます。
まだまだ親がやるべき事が沢山あります。

万が一、一生注射を打つ人生になったとしても。
長生きをするために頑張るしかないと思っています。
家族のために。

まだ術後18日です。
今後元通りの生活ができるのかどうか。
不安でいっぱいです。

でも…
この決断は私にとって良かったと思える日が来ると信じています。


私が自分で病院を選び4人の医師の意見を聞き、最終的に信頼出来る1人に手術をお願いできたこと。
自分自身が納得して手術を受けることが出来たこと。
このことに後悔はありません。

今後の人生が今まで通り元気に過ごせますように。
今後の人生が今まで以上に楽しく過ごせますように。