美輪明宏さんが旅立たれた。
私にとって美輪さんは、
大きな存在でした。

始まりは学生時代。
心理番組『それいけココロジー』で、
サティの『ジムノペディ』が流れる中、
「貴方を不思議の世界に誘います……」

と美輪さんに催眠をかけられるコーナーに
心を奪われたことでした。
その妖艶さ、と心地よさといったら。

それ以来、ずっと
お芝居や音楽会に何度も足を運びました。
友の会に入会し
リアルで体感する美輪さんの世界に、
私の心は琴線を刺激され、
毎回のように号泣していたことを
思い出します。
初めてファンレターを書いたのも
美輪さんでした。

最後にその姿を拝見したのは、
2019年8月の講演会でした。

​実は、美輪さんの出身学校の隣が
私の出身学校という、不思議なご縁もありました。
美輪さんと同じ道をたどり、
同じ景色を見ながら通学していることが、
学生時代の私にとってはたまらなく嬉しかった。
人生の苦しい時期、私のお守りは
いつも美輪さんの本やDVDでした。
部屋に収まりきらないほどのそれらの宝物に、
どれだけ救われてきたか分かりません。

​以前、美輪さん行きつけの「大徳寺」のご主人から、こんなお話を伺ったことがあります。
「美輪はいつも、ここば歌ば歌とうて通りよった」
その言葉を聞いたとき、
美輪さんの生きてこられた息遣いが
すぐそばに感じられるようでした。

​長崎から身一つで上京し、
シャンソンを愛し、
愛と美を極めて伝えてくださった美輪さん。
どれだけ大変だったでしょう。
どんなに辛い時も苦しい時も、
ジェンダーをも超えて、
ただ「愛」という名のもとに闘い、
人々を護って生きてこられました。

チャーミングで、心が綺麗で、
本当にお見事としか言いようがありません。


でも。
言葉になりません。さみしいです。
悲しいです。

美輪さん。
きっと今ごろ、懐かしい愛する方々と、
感動の再会を果たされていることでしょう。
心からの最大のコンパッション(慈悲と愛)で
お送りいたします。
​美輪さん、本当にありがとうございました。