蛇口を全開で出していたお湯が一滴も貯まっていなかったのです。しかも栓も外れていませんでした。また不思議な事にヒノキ風呂は、濡れていませんでした。私は叔母に

「さっき仲居さんて来たっけ?」

「来ていないよ。」

「これは自動装置はついていないよね?」

「うん。」

「全開に出して栓をしていたのに泊っていて、しかも貯まってないて、おかしくない?」

とお互いが顔を見合い、風呂場を確認し、頭に?が沢山飛び、二人で苦笑いをしました。また湯を貯めて入るのも面倒くさいとなり、その晩は、早く布団に入り、寝ましたが、お互いが腑に落ちないような気持悪さがあり、次の日は、チェックアウトよりも早くに旅館を出て帰りました。いまだに謎で、怖いというより不思議で二人で狐につままれたようでした。

 二つ目は、二人で少し遠くに行こうと、関西方面に旅行に行った時の話です。

 バス観光で色々な寺に行きました。あるお寺で観光スポットで有名な水路閣があり、叔母と時間差で水路閣をバックに

写真を撮り合いをしました。この時、気のせいかもしれませんが、あまり気分がのらず、直ぐにその場から離れたい気持ちになりました。

 旅行は特に何事もなく二人で楽しみ、帰宅をすると、写真のネガを現像に出し、写真を確認すると、水路閣で撮った私の頭上に白いモヤがあり、叔母の撮った写真には仁王様のようなものが頭上にくっきり写っていました。叔母にも見せるとびっくりし、あまりにも気持ちが悪く、寺に電話をして、

聞いてみました。すると、住職は不在でしたが、奥様が対応して下さり

「前にも外国の方が撮った写真にも写っていて、こちらにその写真を持って再訪され、写真をお焚き上げをしたので、

心配ならお持ちください。」
と真剣に話を聞いて下さりました。しかし、時間的に関西まで行くのは難しく、実家の祖父母の墓があるお寺に行き、お

焚き上げをして頂きました。その際にそのお寺の住職からもそういう写真は、よく見るし、供養をしていますと、丁寧に説明して下さり、二人でびっくりしたのを覚えています。後で、この水路閣を調べるとこれを作る時に色々あった事がわかり、水に関するものなどでの写真は、撮る事をやめました。