司法書士の山口です。

 

インターネットの掲示板や、SNSでの誹謗中傷。

 

国内・海外を問わず自殺者が出てしまうなど、深刻な社会問題になってるのはみなさまもご存知の通り。

 

今、少なからず誹謗中傷で苦しんでいる方もいるのでは?

 

とりあえず、誹謗中傷があったら、スクリーンショットで証拠はとっておきましょう。

 

そんな誹謗中傷問題も、2022年には転換期を迎えそうな予感です。

 

改正プロバイダ責任制限法の施行が、本年10月1日に予定されています。

 

 

 

 

誹謗中傷の定義

 

誹謗中傷の定義からおさらいしてみましょう。

 

「誹謗」=根拠がないまま、他人を悪く言うこと。

 

「中傷」=根拠のないことを言いふらして、他人の名誉を傷つけること。

 

この2つをあわせて、「他人を根拠のない悪口や嫌がらせで傷つける」行為を誹謗中傷と言います。

 

どの程度で傷つくか・傷つかないかは個人差があります。

 

一般的に考えて10人中7人ぐらいが誹謗中傷だと思えば、まず該当するでしょう。

 

誹謗中傷のポイントは「根拠がない」こと。

 

ちなみに、批判との違いは、批判は「一定の事実(根拠がある)に基づいて述べる」ことです。

 

つまり、根拠がないまま、人や企業の悪口を言うと、誹謗中傷による損害賠償請求の対象になるわけです。

 

 

誹謗中傷問題への強化

 

こうした誹謗中傷問題には、総務省も積極的に取組みを強化

 

2020年9月に「インターネット上の誹謗中傷への対応に関する政策パッケージ」を公表。

 

具体策は、以下のとおり。

 

①SNS・ネットユーザーへのモラルやリテラシー向上の啓発活動

 

②プラットフォーム事業者への積極的な協力体制。

 

③発信者情報開示の法整備

 

④相談先の確保・充実

 

この「発信者情報開示の法整備」が大事なところ。

 

誹謗中傷者を野放しにせずに、発信者を特定していくためのものです。

 

また、④としては「違法・有害情報相談センター」というHPで、誹謗中傷対策のサポートが行われています。

 

 

 

 

プロバイダ責任制限法について

 

インターネットの権利侵害には、

「特定電気通信役務提供者の損害賠償責任の制限及び発信者情報の開示に関する法律(プロバイダ責任制限法)」

というものがあります。

 

簡単に説明するなら、

「あなたの管理サイトで誹謗中傷があった場合、被害者に発信者の情報開示をしましょう。

そうすれば、管理者のあなたに一定の責任は問わないから」

というものです。

 

この、発信者を特定するために、発信者情報の開示は肝なわけです。

 

 

現行の発信者情報開示の一般的な流れは,以下のとおりです。

①コンテンツプロバイダ(SNS事業者や掲示板管理人等)等を相手方に、発信者情報開示仮処分の申立てを行う

 

②仮処分決定を経て、IPアドレスなどの開示を受ける。

 

③IPアドレスなどが開示されたら、経由プロバイダ(通信事業者等)に対し、通信ログ保存の請求

 

④通信ログを保存後、経由プロバイダ等を被告として発信者情報開示請求の訴訟提起

 

⑤判決を取得後、発信者の氏名等の開示を受けられる

正直、かなり手間や時間がかかります。

 

そして、通信ログの保存期間が短いため、即開示請求に動かないと、保存切れになる可能性もあります。

 

この2回の裁判手続き・通信ログの問題を改善するのが、今回の改正点です。

 

 

(総務省のHPより抜粋)

 

 

・発信者情報の開示の迅速化。

 

・通信記録のログを保全する。

 

要は、今よりも「早く」「確実に」誹謗中傷者を特定しようというわけです。

 

 

 

 

誹謗中傷で悩んでいる人は、とりあえずここに相談してみて下さい(^.^)