司法書士の山口です。

 

今日は、ニコスの過払い金をご紹介。

 

2022年現在、ニコスの過払い金請求は、以前と同じように行ってます。

 

・日本信販の頃から利用していればほぼ100%過払い金発生

 

・今から15年以上前からのキャッシング返済が対象。

 

・50万円の枠で20年ぐらい利用すると100万以上の過払い金も。

 

というのが、ニコスのイメージですね(^.^)

 

過払い金の請求期限は完済から10年

 

今ショッピングを利用していても、キャッシングを完済した時から10年なのでお気を付けください。

 

 

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(目次)
 

①ニコスの歴史
 

②ニコスの過払い金対象になる人
 

③どれくらいの過払い金がニコスから発生する?
 

④実際にニコスから過払い金が戻ってくる割合は?
 

⑤ニコスの過払い金請求の特徴


 

①ニコスの歴史

三菱UFJフィナンシャルグループの、クレジットカード担当がニコスです。

1951年に、当時の信販会社最大手「日本信用販売」として設立。
 

この頃はクーポン券の発行がメインで、このクーポン事業がクレジット事業の前身と言われています。
 

もう今から70年前のこと…、戦後すぐの時代です。

1966年に「日本信販」に商号を変更して、この年からクレジットカード事業が開始されます。

 

そして、1989年には、昔からニコスを使っている人には、馴染み深いマイベストカードの登場です。
 

2005年にUFJカード(旧ミリオンカード)を合併して、三菱UFJ銀行(当時はUFJ銀行)の子会社となります。

 

それに伴って「UFJニコス」に商号を変更。
 

2006年に協同クレジットサービス、2007年にディーシーカード(旧ダイヤモンドクレジット)も合併。
 

現在の商号である「三菱UFJニコス」となっています。

(純利益)52億4100万円(2021年03月31日時点)
 

(純資産)1573億9900万円(2021年03月31日時点)
 

(総資産)2兆4262億9500万円(2021年03月31日時点)
 

(従業員数)3059人(2021年03月31日時点)
 

※ウィキペディアより抜粋※

すごい総資産2兆円以上!!

ニコスでは今までに1000枚以上のカードを発行してきた実績があります。
 

ニコスの本社には、カードギャラリーというものがあります。

 

ここに行くと、いままで発行してきた全てのカードが見られるらしいです。


ちなみに、クレジットカードが誕生したのは、アメリカの「Diners Clubカード」が発祥って知ってますか?
 

このカードの由来、なかなか面白いですよ。

時は1950年、第二次世界大戦が終わったばかりのアメリカです。
 

とある実業家と友人の弁護士がレストランで食事をしていた時のこと。

会計時に財布を忘れてしまったことがきっかけで、
 

2人はツケ払いでディナーを食べられないか?と考えます。
 

これがきっかけで、現金を持ち合わせていなくても、カードがあれば食事ができる仕組みを作ったそうです。

これが世界初のクレジットカード「Diners Clubカード」の由来。
 

「Diner=食事をする人・食堂」を文字って誕生したんですね。

ニコスもこの1年後の1951年には、日本信用販売を立ち上げているわけなので、スゴイですよね。

 

 

②ニコスの過払い金対象になる人
 

ニコスから過払い金が発生する人。

 

それは、ずばり2007年(平成19年)以前からキャッシングを利用していた場合。

現在が2022年2月ですから、最低でも15年以上は前から。
 

現実的に、20代や30代半ばぐらいまでの方は対象外でしょう。

先ほども少し触れましたが、ニコスはとにかく色んな会社と合併。
 

そして、今までに1000枚近くもカードを発行してきています。

 

あとは、カードの種類によって、過払い金が発生するか?しないか?という側面もあります。

基本的に、日本信販時代からニコス使っていれば、まぁ間違いなく過払い金は発生。
 

NICOSカードに切り替わっても、キャッシング利用していれば、まず過払い金はあります。

なんで2007年が大事かというと、この時期にキャッシングの金利が切り替わっているから。

「調査する前にそんなこと分かるのですか?」
 

と、たまにご質問を頂きますが、それが分かるんです。

今までに、ニコスをはじめ、色々なクレジットカードの過払い金は調査してます。
 

その上でのお話で、2008年以降は適正な金利(利息制限法内の金利)なんです。

その理由がちゃんとあってですね、
 

2006年1月に、過払い金請求が決定的に認められる事件(みなし弁済の否定)が、最高裁判所で判示されました。

これによって、
「利息制限法を超える金利はさすがにまずい…」
という雰囲気が業界内に広がる。

 

そして、ほとんどのクレジットカード会社は、2007年(平成19年)に利息制限法内のに金利を変更しているんです。

だから、ニコスに限らず、基本クレジットカードは2007年に金利変更入れてます。
 

思いつく限り、その当時に変更していないのは2,3社ぐらいしかないですね。
 

そして、そんな会社らも、貸金業法の改正の影響もあって2010年には、完全変更しています。

 

 

③どれくらいの過払い金がニコスから発生する?

「実際のところ、ニコスからどのくらい過払い金出てるの…?」

過払い金の発生にイメージがわかないと、そもそも金額する未知数ですよね。

うちの事務所での統計になりますけど、ニコスから発生した過払い金はこんな感じです。

(ニコスの過払い金発生額の割合)
 

・1円~10万円未満:全体の13%
 

・10万円~50万円:全体の27%
 

・50万円~100万円:全体の23%
 

・100万円~150万円:全体の16%
 

・150万円~200万円:全体の8%
 

・200万円~250万円:全体の4% 
 

・250万円~300万円:全体の4%
 

・300万円以上:全体の5%

 

100万円を一つの区切りとすると、
 

・100万円以内の発生で全体の63%
 

・100万円以上の発生が全体の37%。

過払い金発生の平均額は、98万3925円
 

ちなみに最高額は約375万で、過払い利息などを付加すると590万円。
 

1995年~2016年までの約21~22年の利用でした。

やっぱり、日本信販時代からキャッシングを利用している人は強いですね。
 

当時だと、日本信販+マイベストの組み合わせです。

いちよ、誤解がないように記載しておくと、司法書士は140万円以内の過払い金だけ対応できるルール。


140万円以上の過払い金は、知り合いの弁護士さんに全て回収を委譲してます。

もちろん利用年数や限度額などの条件にはよります。

 

だけど、クレジットカード会社の中では、ニコスは過払い金は大きく出る部類。

100万円以上の過払い金がクレジットカード会社で出るか?って言われると、ニコス・セゾン・オリコ・セディナ辺りなら可能性あるイメージですね。

先ほどの話と重複しますけど、
どの会社も2007年中には、金利は利息制限法の金利になっている。

 

ですので、2007年から利用しても過払い金は期待できない。

今2022年だから、ここ15年で利用し始めたは過払い金なし。
 

ニコスで100万円いくには、2002年~2022年ぐらいの利用は必要かなと思います。

もっとも、古い時期に完済している場合は別。
 

例えば、最高額発生者のように、1995年~2016年などの場合。
 

この場合は、1995年~2007年までは利息を払いすぎて、2007年以降は適法な金利。
 

直近で完済している人に比べて、払いすぎの期間が長いの分かりますよね?

同じ20年でも完済時期が古いほうが、違法な金利払ってる期間が長いので、過払い金は多く発生するというわけです。


 

④実際にニコスから戻ってくる過払い金の割合は?

ニコスは、裁判をしないでも、ある程度の過払い金は戻ってきます。
 

過払い金全額+利息の請求をするという場合には、裁判が必要です。

過払い金請求をする場合は、まずは交渉からスタート。
 

「過払い金100万円の内、80万円を返す」
 

「いや、85万円は返してほしい。3か月以内に」
 

とか、こうした交渉を行っていくんです。

全額を素直に返してくれる時代もありましたが、今は無理。
 

過払い金請求が多すぎて、カード会社側も手綱を締めた結果、100%返すというのは基本ありません。
 

ですから、発生額の○○%のような交渉になるというわけです。

でも、もちろん全額請求する権利もある。
 

交渉って話合いなので、お互いが歩み寄らなければまとまりません。
 

そうした歩み寄りが難しい場合には、裁判を行っていくというわけです。

過払い金の裁判は、「不当利得返還請求」というかたちで訴訟提起できます。
 

貸主か借主の住所地で訴えることができるので、
 

我々は、ニコスの本社のある東京で訴えるのが一般的です。

でも、裁判をしない交渉の場合でも、ニコスから80%~90%ぐらいの過払い金は戻ってきます
 

「これぐらいでいい」という人も結構いるので、ニコスの裁判が多いか?っていうと、そこまでではありません。

100万円なら、80万円~90万円は戻ってくる。
 

この金額が、和解した日から2ヶ月~4か月後に振込まれます。



⑤ニコスの過払い金請求の特徴
 

最後に、ニコスの過払い金の特徴を説明します。

(取引履歴)
 

まず、取引履歴について。
 

30年とか、40年前から利用がある場合、全ての履歴を取得できないケースもあります。
 

・ニコスカード…1995年~保存あり
 

・UFJカード…1993年~保存あり

2022年現在で考えると、直近27年の間に利用を始めていれば、全ての利用分の取引履歴は取得できる
 

それ以前から利用していると、当初利用分の履歴はないということになります。


(ニコスカードとマイベストで過払い金の発生に差がある)
 

マイベストカードも過払い金の対象にはなるのですが、18.9%という金利でした。
 

100万円以下だと18%が正しい金利なので、0.9%だけ過払い金の対象金利というわけです。
 

そのため、マイベスト分は過払い金が小さいことが多いです。
 

20年ぐらい利用していても、7万円~12万円ぐらいというイメージです。

反対にニコスカードは、20%台後半の金利だったので、20年利用していれば、数十万円単位の過払い金は当たり前。

マイベストとニコスカードでは、過払い金の発生額に10倍ぐらい差がつくイメージです。


(条件緩和契約をしていると過払い金が請求できない場合もあり)
 

条件緩和契約とは、利息や返済額の相談を行って返済条件を緩和した契約のこと。

「返済が苦しかった」「払えなかった」ような場合に、行われるケースが多いです。

この条件緩和契約時に、過払い金を清算している場合があります。
 

そうすると、清算はもう終わっているので、過払い金は請求できないというわけです。

一方で、条件緩和契約を行っても、それ以降利息の返済を無くした(減らした)だけで、過払い金の清算を行っていないケースもあります。
 

この場合は、過払い金を請求できます。
 

ただ、途中から、利息が無くなったり、減ったりしているので、条件緩和契約をしてない人よりは、過払い金の発生は少なくなります。

以上、ニコスの過払い金請求について!

過払い金の調査は、全国対応で行ってますので、気になる方は下記より、ご連絡下さい(^-^)

それでは!
 

 

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