司法書士の山口です。

 

「任意整理をしても払えなくなったらどうなるの…」

 

「任意整理でダメだったら行き場がなくなるのでは?」

 

こういう心配の方もいるでしょう。

 

任意整理の返済は5年ぐらいかかります。

 

 

 

5年ってそれなりに長い期間。

 

ダメだった時のことを心配するのは当然。

任意整理をしても、実際に最後まで払っていけるのは全体の50%ぐらい?とか言われているみたいです。


うちの任意整理の依頼人は80%以上は返済続けられていますが、それでもやはり途中で限界が来る人も…。

自分の病気、親の病気、収入減少・勤務先の倒産…その辺の事情は色々です。


こうした場合に、どう対応していくのかが今回のお話。
 

対応策はこんなかたちです。

①再任意整理を行う
 

②個人再生を行う。
 

③自己破産を行う。

任意整理が失敗しても、逃げ道はあります。
 

2回目の任意整理もできる。

 

それでも難しければ、自己破産や個人再生もできます。



①再任意整理のパターン
 

任意整理で2、3年返済を続けていた。

 

でも、2,3年目の予期せぬ事情で払えない。

 

こうした場合は、再任意整理(2回目の任意整理)を行うケースが多いです。
 

例えば、400万円を任意整理して、毎月7万円の任意整理の返済になったAさんの場合。
 

任意整理で利息の支払いは0になっている。

 

任意整理での返済は、元金400万円の返済のみ。
 

3年毎月払うと、7万円×36ヶ月=252万円。
 

400万円-252万円=148万円が3年後の残額。
 

この段階で、毎月7万円が捻出できなくなったする。
 

この場合、残額の148万円に再任意整理を行います。

148万円÷60ヶ月で和解できれば、毎月2万5000円程度まで絞れます。

もっとも、カード会社側からすれば、さらに返済回数を延ばされたようなもの。


すんなりいくか?と言われれば、それは状況次第。
 

でも、146万円÷36ヶ月で和解でも、毎月4万円。

 

3年払いでもこれぐらいになるので、いずれにしろ問題なしです。



②個人再生を行うパターン
 

これは、以下の2つを満たす場合に想定されますね。

 

・再任意整理をしても返済が厳しい

 

・住宅ローンがある


個人再生なら借金は大きく減らせますが、車のローンも奨学金も全て対象。
 

(住宅ローンだけは巻き込まないようにできます)

だから、これらのローンを巻き込みたくないから、最初は任意整理を選択するケースが多い。

 

でも、やっぱり任意整理の返済はきつくて、断念…

 

車は諦める。

でも住宅ローンは絶対に死守。

 

そのために、任意整理から個人再生に移行するというのは、現実的にあります。

 

 

③自己破産を行う

「破産はしたくない」から、最初は任意整理で頑張っていく決意をしたものの、途中で払えなくなってしまうケース。

任意整理後の自己破産は、特に問題ありません。
 

むしろ、いったんは頑張って返済した結果、できなかったわけだから、裁判所の受け入れもスムーズ。
 

「支払不能(しはらいふのう)」なのが、明らかだからですね。
 

すんなり、破産が通るケースのほうが多いといって良いでしょう。

人生何があるか分からないから(今回のコロナで痛感したはず)、今とりうる選択肢をとって、それでダメだったら仕方ない。


ただ、「任意整理して払えなくなったらもう終わりだ」なんて思う必要はなし。

 

解決策はありますから(^-^)

以上です。