「落ち着いて蒼」
そう言いながら、校舎裏で愛理は青の手を掴む
(あれ?蒼の手ちょっと細くなったような)
「星羅に別れを告げられてから、ろくに飯も食べられなかったし、眠れなかった」
そう怒鳴ると、あいりの手を振りほどく
「星羅だけは、星羅だけは失いたくなかったのに」
蒼は愛理のことを、グーで叩く
「気持ちはわかるけど、こんなことしても星羅は帰ってきてくれないよ」
愛理は蒼に抱きつく
蒼は我を忘れて何度も愛理を叩いた
(どうしよう、、どうしよう、、。
このままじゃ前と同じことになっちゃう)
愛理は目をつむる
(大事化して蒼の傷を増やすことになっちゃう)
ハアハアと蒼の息が切れていた
(よかった、食べてなかったり、眠ってなかったから疲れが溜まってたのね)
「愛理、ごめん俺ー」
蒼はパニックになる
「大丈夫だよ、先生にもバレてないし
私も怪我してないから気にしないで」
愛理はニッコリ笑う
「なんで愛理はそんなにまっすぐ俺を好きでいてくれるんだ?前だって暴力してたのに別れたがらなかったし。」
蒼は愛理を見た
「愛理はなんでそんなに簡単に俺のことを許せるんだ?」
「暴力したくなる気持ちは私もわかるから」
愛理はうつむく
私が暴れて落ち着いたあと、泣きながら事情を話す私に、蒼は言ってくれた。
「俺は家族の気を引くことしか考えられないから、誰かのために頑張れる愛理を尊敬してる」
「健常者だから頑張らないとってずっと自分にむち打って頑張ってたんだよな」
「俺の彼女が、誰かのために頑張れる人なのが誇らしい」
って優しく頭を撫でてくれたよぬ
蒼がそう言ってくれたから、もっとしっかりしなきゃ、頑張らなきゃって無限ループから抜けられたんだよ
愛理は目を細めて笑う
「そして家族の前でも、だめな自分をさらして暴れられるようになった。
暴れるのは良くないけど、我慢するよりはいいよね?」
「だって我慢してもいずれ爆発するし、積もり積もって大爆発よりは小出しにするほうがいいような気はする」
「暴れずに発散できるならそれに越したことはないだろいけどね」
愛理は視線を落とす
「蒼は私の行動だけで決めるんじゃなくて、ちゃんと私を見てくれたんだよ」
愛理はまっすぐ蒼を見つめた
「そんな蒼だからこそ、大好きになれたんだよ」
愛理はニッコリ笑う
「ありがとう、愛理」
蒼は目をうるませた