もう 会えないかもしれない…
この村を後にするとき
必ずといっていいほど
頭をよぎる

初めてこの村に来たのは
2016年の7月だった

ショックだった

誰にでも しっぽをふり
誰にでも 飛びついて甘え
ひたすら食べ続ける
もっと もっとください‼️と ねだる

苔が生え 虫の浮いている水
泥だらけの床板の抜けた小屋
周りは うんちの山

繋がれた鎖を
リードに付け替えるまでの大騒ぎ
付け替えた 瞬間の
パワーとスピード

決して
痩せ細ってはいない
太り気味な子たち
今  それらは何も変わっていない
鼻を鳴らして
きゅ~ん きゅ~んと甘え
飛び付いてくる

ただ…
その力が少し弱くなった
その甘える声は
泣き声に聴こえるようになった


車を停めると
わらわらと にゃんこたちが
集まってくる
ポイントがあった
ウエットフードを用意していると
まだか?まだか?と
車によじ登ってくる 
その数 およそ 10にゃんこ
この給餌ポイントは
二年前  解体された


土曜日(23日)  
ボックスで フードを食べる
二匹の にゃんこ を確認

ほとんど 見かけなくなった
にゃんこたち
保護され
どこかで 
幸せに暮らしていると信じてる

アンモニア臭が 鼻にツーンと
突き刺さったのは
蕨平の ゴン太
雨とふん尿にまみれて
腐ったワラの上で
大きな身体を丸めていた
ゴン太 も 一昨年 
ひとりで お空にいってしまった

今    糞尿で汚れたワラを寝床にする この子たち
10月に来たときに 
主さんから
「この先に蓄えてある
ワラを使っていいですよ!」
と お許しをいただいている

さぁ! 全部 取りかえるよ!
嬉しいね!次郎くん!
今夜
暖かく眠れますように…

三年前
本当の名前が解らずに
勝手につけた名前
こつぶ

こつぶ は おおつぶ のお母さん
そう  銀杏の木の下で
いつも熱烈歓迎ポーズで
迎えてくれる あの子は
おおつぶ と名付けた
みつば、よつば

みんな みんな お空の上に
いってしまった


産まれたての仔犬が
大きくなったのを
見届けられたのは  ほんの僅か
昨日 あった4つの新しい命が
次の日の朝には
1つになっていた現実
みんな どこへ連れていかれた?
誰が 連れていった?
どうして?
なぜ?
悔しくて たまらなかったあの日

回りきれなかった
給餌ボックスもあった
「今回はこの地区には行けないなぁ…」
と言っていたあの頃
あの子に会えなかった
次は必ず行こう❗️
と言っていた三年前

今    一日半で
回りきれるほどになった
にゃんこが減った
わんこが減った
村に帰ってきたヒトが増えた

確かにそうなんだろう…

それは きっと
国や県や自治体が喜び
政府が 「安心して住めますよ!」
ただそう言える場所が
増えただけのこと

じゃあ  幸せな子は 増えた?
わんこの暮らしは 変わった?
にゃんこは
みんな家ネコになった?
避妊、去勢は みんな終わってる?
命の扱い方は変わった?

誰にも気付かれず
空に昇っていった子

猪の罠に はまったまま
土にかえっていった子

繋いでいたワイヤーが 
絡まったまま
動けなくなっていた子もいた
ケガをしても
病気になっても
病院へは行かず…
連れて行ってもらえず.…
ちがう! 気がついても  もらえず…
主に知らせたときには
もう 手遅れの状態

もしくは
自然治癒に頼ることが
ほとんどだ

自然に治るものか 否か
病院で しっかり診てもらわなければ
解るはずもないのに

消えていった命を思い
ヒトは
学習しなければ
            ならないはず


私は
何をするために
ここへ来ているのだろう…

会いたいという思い?

元気でいるか
確認したいだけなのか?

自己満足なのか…

解ることは
幸せに
    暮らしてほしい

健康に暮らせる環境で
     あってほしい

願い 祈ることしかできないってこと

だって
だって
飼い主が いるのだから

ヒトと同じ命なのだから