冷たい風にのって
雪が舞いはじめた

元気だった?
悪い所は ない?

さぁ! お散歩 行こう爆笑
たくさん 走ろうニヤリ

いっぱい 話そう照れ

キレイなお水に とりかえるから
沢山 お飲み

尾の脱毛
全身 フケまみれ
この症状は…
相葉くんに
トリミングしてもらってから
何ヵ月経過した?
一度きりのケアですか?

雪の無い冬は
少しでも
ほんの少しでも
体への負担を
減らしてくれたのだろうか…

変わらないフレコンバックの山
この景色を見続けて
もうすぐ丸八年

九年目に入ったら
何かが変わるのだろうか
この子の暮らしが
劇的に良くなるのだろうか

震災の被害として
国や政府が
見ているのは 何ですか?
やっている事は 何ですか?
復興って
道を作ることですか?
新しいトンネルを掘ることですか?
山を削り取る事ですか?

震災があったから
「可哀想な子たち」
「置き去りにされた命」
「今も帰れない村」として
取り上げられているけれど

本当は
もっともっと前から
見直さなければ ならないこと
沢山あったんじゃないかと
思ってしまう

「ここから先 
        帰宅困難区域 
               通行止め」のゲート
ゲートを挟んだ
この道の向こう側と 
こちら側
一歩進めば 入れる場所なのに
すぐそこに 家があるのに
この先に
寒さに震える命があるのに

帰村した高齢者は
年老いたから
「散歩なんて行けない」 と言う
「犬は猪や猿を追い払ってくれれば
    それでいい 」と言う

ヒトのいなかった村を
自由に生きてきた猪たちは
ヒトが戻ってきたら
邪魔者扱い
いったい
誰が 被害者なんだろう…

冷たい風に吹かれて
ドロドロの土の上で
丸くなって眠る この村の子たち

どこかが 
何かが
間違っている気がして
仕方がないのです