寒いと感じる朝
時折 ボタボタと雨が落てくる

逢いたかった…
元気でいてくれると 信じていた…

すすき と
背たか粟立ちそうの揺れる村は
7年と7ヶ月を迎えた

君は 何をして欲しい?
あなたは どこへ行きたい?

遠くを見つめるその先に
何があるの?
糞尿と雨水でドロドロの寝床
新しい藁は
きっと今夜 
楽しい夢を見せてくれるはず

実った柿の実を
猿から守るためだけに
一人 遠くの畑に繋がれた
収穫しない柿を
猿から守るための番犬

相変わらずのゲホゲホが
お祖母ちゃんの耳には届かない

避難先に
新しい家を建てた
あそこじゃ 犬は飼えない
ここは、1週間に1度
餌やりに来るための別荘だ
と主が言う

ヒトの住まない新築の家を
守るための番犬


爪切りをして
ヨタヨタ歩きのわんこは
しっかり歩けるようになった
走る
食べる
喜ぶ
甘える

君たちの その姿を見たくて
走り回った

そして
陽が沈んでいく
あと半日で
何ができるだろう

悔しさと
切なさと
やりきれなさと
ぶつけようのない怒りは
わんこを抱きしめて
涙で 流すしかない


相葉くんが トリミングした
くうちゃん
草の実を いっぱいつけて
涙やけが
カサブタのように固まり

温室の中で 
やっと会えた にゃんこ

ここには
タヌキさんや
ハクビシンさんは
入って来ないから
安心して お食べ

ごめんね
ごめんね

行かなければならないんだ…

ごめんね
ごめんね

戻らなければならないんだ…

あなたたちの主が
あなたたちの 幸せ を
真剣に考えて
あなたたちの 環境 を
真剣に見直して
あなたたちの 身体 を
真剣に心配してくれる
いつか
その日が来たら
星になった 沢山の村犬たちが
きっと
きっと
跳び跳ねて喜ぶよ

その日が来て欲しいと願う事

それしか できない…
それがまた 悔しい