忍耐と根性で
生き抜いてきた7年

家のヒト がいてもいなくても
この子たちには
きっと
もう  関係ないのだろう

そう思わなければ
今まで 生きてくることが
できなかったんだ…
生き続けるための術を
身につけたんだ…

誰が来ても
大歓迎

ドライフード
温かいウエットフード
おやつも少々
お散歩
たくさん なでなで
お返しに ぺろん
ブラッシング、耳のそうじ
うんピ毛玉のカット✂️
爪切り
身体のあちこちの確認
限られた時間の中で
最小限のケアしかできなかった

大きな腫瘍に
気付いていなかった主

血の固まりが
コールタールのように溢れる
外耳炎のわんこ

猪の罠にはまって
先月 足が腫れ上がっていた
この子の足は…
どうして?
なんで?
その言葉だけが
頭の中で こだまする

主に
どうして病院に連れていかない❓❓
なぜ 放っておける❓❓
なぜ 独りにしておける❓❓

と、詰め寄る事ができたら…
けれど
その主は いない。

黙って連れて行っちゃおうかな
あの子も
この子も
その子も
どの子も み~んな…
まず 病院に連れていく
からだのケアをしっかりして
シャンプーして
ブラッシングして
昼間は 
ドッグラン!
広い芝生の上を自由に走り回り
天気の悪い日や夜は 
もちろん 家の中へ
ふわふわの布団で
身体を伸ばして眠る
いつでも キレイなお水
決まった時間に ごはん
毎日 お散歩も行こう

うちにおいで‼️

そう 言ってしまいたくなる…
その力も 
その場所も 
財力も無いのに…
出来ないから 悔しい
出来ない自分に 腹がたつ
悔しい
悔しい
歯ぎしりをしても
泣いても
怒っても
結局 
また来るね‼️って言いながら
その子の傍を離れる
後ろを振り向けない…
こんな瞳で
見つめられたら…
こんなふうに
見送られたら…

3,11が近づくと
国や 政府や 自治体が
何かしらの行事を
厳かにとりおこなう
大切なヒトを失い
大切なモノを奪われ
元の暮らしに戻れない悔しさは
私にだって解るよ

それでも
それでもね
今を生きている
今までを
独りで生き抜いてきた子たちが
まだまだ 沢山いるってこと
もっともっと
現状に目を向けてほしい
解ってほしい

息子が飼いはじめた犬だから
その息子は 
7年のうちに大人になり
家庭を持ち
避難先で新しい生活を始めた

村に戻ったのは老夫婦だけ
身体が思うように動かない
犬の面倒が見れる状態ではない
と言う
ここにいても
何も出来ないし
することが無いからと
また 避難先に戻っていく

あとに残されたのは

大きな新築の家と
この子たち

わんこの埋められた場所さえ
わからなくなった更地

どれだけの命が
土に還っていっただろう…
どれほどの命が
独りで最期を迎えただろう…